はじめに
Q. 「130万円の壁」を超えたことを内緒にしているのですがバレないですよね?
A. バレます!
【解説】
130万円の壁を超えないつもりで働いていたものの、実際には130万円を恒常的に超えていたとします。この場合、扶養から外れてしまいますが、扶養者に年収が130万円を超えたことを伝えなければバレないのでは?と思われるかもしれません。しかし、そんなことは
ありません。
健康保険の扶養は、扶養に加入する際に収入等を確認されます。その後、通常は1年ごとに状況が変わっていないかを調査する「扶養の再認定」が行われます。扶養の再認定の調査方法はさまざまですが、被扶養者の源泉徴収票や直近3か月の給与明細など、収入のわかる書類を提出しなければならない場合はバレてしまいます。
扶養から外れていたことがわかると、被扶養者の扶養が解除され、扶養の条件を満たさなくなった期間をさかのぼって社会保険料などを支払う必要があります。
Q. 年収120万円、扶養内で働いている場合、iDeCoは意味ある?
A. 税金を減らす効果が得られます!
【解説】
iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)は、自分で出した掛金を運用して、その成果を原則60歳以降に受け取る制度です。運用で得られた利益が非課税にできるうえ、毎月の掛金が全額所得控除できるので、所得税や住民税を減らすことができます。
国民年金の第3号被保険者(被扶養者)の場合、月額2.3万円(年27.6万円)まで掛金を出すことが可能。
被扶養者であっても、100万円の壁を超えると住民税、103万円の壁を超えると所得税が発生しますが、iDeCoの所得控除によって所得が減らせれば、その分住民税や所得税を減らす効果が得られます(なお、納める税額以上には節税できません)。
年収120万円、控除は給与所得控除と基礎控除のみだとした場合、所得税は8500円(課税所得17万円×5%、復興特別所得税は考慮せず)、住民税は2万7000円(課税所得22万円×10%+5000円)です。
仮にiDeCoの掛金を月1万円(年12万円)出していたら、所得税は12万円×5%=6000円安くでき、住民税は12万円×10%=1万2000円安くできます。