はじめに

自民党の総裁選において、「金融所得課税」が話題となっているようです。これを受け、ネット上ではiDeCoや NISA にも影響が及ぶのではないかと不安な声も上がっています。今後、iDeCoや NISA で築いた財産も課税されたりするのでしょうか?


iDeCo、NISAの税制優遇

事の発端は、石破茂元幹事長があるテレビ番組で「金融所得課税」の強化を実行したいと述べたことにあります。金融所得課税については、以前岸田総理も強化する方針を打ち出したものの実行されぬままになっていたので、それを再度提言したいという意向のようです。

金融所得とは、金融商品から得られた利益を指します。銀行預金の利息も金融所得ですし、株の配当金、投資信託の売却益などすべてが金融所得です。この税率は一律20.315%(復興特別所得税0.315%)です。

例えば、定期預金の利息は金融所得ですし、投資信託をスイッチングした際に生じる譲渡益も金融所得です。しかし、iDeCoでは運用中においてこれら金融所得に対する20.315%の税金がかかりません。

NISAでは、個別株、ETF、REITや投資信託などを売買して資産を増やしますが、配当金などのインカムゲインや売買で得られるキャピタルゲインが金融所得となります。もちろんNISAでは、これら金融所得は無期限で非課税です。

このような税制優遇のお得さを知っているからこそiDeCoやNISAで資産運用を始めたという方たちからは、「貯蓄から投資へ誘導し、いきなりはしごを外すように課税強化をするなんて、けしからん」と言った声も上がっているようです。

現に石破氏の言葉を受け、小泉氏、小林氏、河野氏等が次々と「金融所得課税の強化で貯蓄から投資の流れを止めるべきではない」「iDeCoやNISAなどはむしろ拡充し中間層の金融所得を増やすべき」などと非難めいた発言したこともあり、世の中少しざわついています。

その後石破氏が国会で自らの発言の真意は、iDeCoやNISAについての課税強化をするものではないとしましたが、税の優遇という恩恵を受けている人達にとっては今後の行方に不安も残っているようです。

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