はじめに

投資家にとって今年最大のイベントが、11月に控えた米大統領選ですね。今回は過去の大統領選挙を振り返り、今注目すべき市場、そのETFとファンドについて紹介します。


大統領選で株価はどうなる?

今回の大統領選挙は接戦の中、トランプ氏が優勢となってきているようです。前々回の2016年の選挙ではトランプ大統領の勝利はサプライズで、決定直後にドル円も、ダウ工業株価平均指数先物も大きく下落したことを記憶されている方も多いのでは?ダウ先物は一気に900ドルほど下落しました。

ただ一時的な値動きは下落方向でしたが、その後為替市場でドル円は大きく円安方向に動き、S&P500は 5%上昇しました。前回の2020年の選挙ではバイデン氏が勝利し、S&P500は11%上昇。大統領選挙はアメリカの政治のトップを決める重要なイベントのため、無事に大統領が決まると不透明感が後退し安心感が出ることや、新大統領が打ち出す政策期待などから上昇しやすい傾向となるようです。実際に1972年以降の選挙年の株価推移では大統領選挙後の株価は年末高になっています。ただ例外が、プラザ合意前年の1984年、ITバブルが崩壊した2000年、リーマンブラザーズの危機があった2008年。この3回の選挙の際はマイナス推移でしたので、外部環境も大切です。

大統領選が追い風に?

大統領が決まった後、注目すべき投資先のひとつが米国の中小型株です。

大統領が決定したあとに出す景気刺激策はアメリカ国内の景気刺激となることが多く、内需関連セクターの比率が高い傾向にあり景気動向に敏感な中小型株に追い風が吹くことが多いのです。

これまでも大統領選後に米中小型株の指数であるラッセル2000はS&P500を上回るパフォーマンスを出す傾向にあります。これはどちらの政党が勝利しても傾向としては変わりません。

2016年の大統領選挙の際には、当選したトランプ氏は法人税率やキャピタルゲイン税率の引き下げなどの大型減税、雇用創出のためのインフラ投資の強化などの経済政策を打ち出しました。

ラッセル2000は、ラッセル3000種指数のうち時価総額が下位の2000銘柄に投資する、つまり時価総額上位1001位から3000位までの2000銘柄を対象とした株価指数です。特に中小型株に焦点を当てている点が特徴で、浮動株調整後の時価総額加重平均型となっているため、中小型株といわれるなかでは時価総額が大きい企業ほど構成比率が高くなります。年1回、毎年6月に構成銘柄の入替が行われます。

ラッセル2000に連動するETF

中小型株は一般的に大型株と比べてまだ市場で十分に評価されていないことが多く、高い成長ポテンシャルを持つ企業が含まれており、成長性や株価の上昇余地が大きいとされています。

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