はじめに
日経平均とTOPIXは、10月8日から10月23日まで11営業日連続で陰線(その日の終値が始値より安いことを表す)となりました。
日経平均は2012年4月25日~5月16日(13日連続)以来、12年半ぶりの記録です。またTOPIXは1992年3月3日~18日の12営業日連続以来の陰線の記録となり、32年半ぶりの記録です。
衆議院選の事前予想で、自民・公明党の与党の過半数割れの懸念が台頭していたことが市場に影響していると思われます。実際、与党の過半数割れが確定し、石破降ろしも考えられ、不透明な相場展開はまだ継続しそうです。
東京メトロが鉄道株ランキングで7位に
このような状況の中、10月23日に東京メトロ(9023)が上場しました。相場開始の約1時間後、10時06分に1630円で寄付(公開価格1200円の35.8%高)、安値も同じく10時06分1621円、高値は10時16分1768円、終値は1739円でした。この日の売買代金は2940億円でトップとなり、時価総額は早くも1兆円を超えました。電鉄株ランキングではJR東日本、JR東海、JR西日本、東急、西武、阪神阪急に次ぐ7位になりました。
今後、東京メトロは不動産事業の強化を急いでいます。24年度からは私募の不動産投資信託(REIT、リート)を活用し、外部から資金を募り事業を伸ばす戦略を打ち出す見通しです。また、来月末にはTOPIXリバランスの採用や、MSCIリバランス早期組み入れの期待もあります。尚、FTSEは採用を見送りました。
IPOの抽選
東京メトロのIPO(新規公開株式)の当選発表が10月15日にあり、当選された方は上場の日を楽しみにされていた事と思います。ネット証券で申し込みされた方は、100株または当選せずの方が多かったのではないでしょうか?
その理由として、今回メトロの売り出し株数は、290,500,000株(国内売出232,400,000株、海外売出分58,100,000株)でした。そのうち国内分の売り出しは主幹事会社の野村証券とみずほ証券がいずれも割当率32.28%の約7500万株となりました。その他、主幹事の三菱モルガン・スタンレー証券が割当率8.87%の約2000万株、ゴールドマンサックス証券が割当率7.03%の約1600万株でした。主幹事に約80%が割当られた事になります。
一方、ネット証券の割当率を見てみると、SBI証券が1.3%で約317万株、楽天証券が0.79%で約184万株、松井証券・マネックス証券は0.35%の約80万株となっています。当然の事ながら、割当率が高い証券会社で申し込みをした方が当選しやすくなります。今回ネット証券で申し込みをしても当選しなかった方が多かった理由は割当率が低かった事が要因です。