はじめに

「国勢調査人口等基本集計結果概要(2020年)」によれば、東京都の人口は、2022年時点で約1400万人。40代は約16%の225万人です。そのうち、結婚している人は男女とも6割を超えています。

全国的には人口減少と言われていますが、東京都は逆に人口が増えており、子どものいる世帯も増えています。

40代は、子どもが生まれ、保育園や幼稚園、小中学校に通うようになれば、親同士のお付き合いも必要になるでしょう。なにかにつけ平均値を意識するシーンが増えるのではないでしょうか。

今回は、40代夫婦の平均年収や貯蓄額、生活費から、平均的な暮らしを考えてみたいと思います。


東京都40代夫婦、世帯年収の平均は約853万~926万円

日本では、1990年なかばから共働き世帯が専業主婦世帯を上回りはじめ、今では共働き世帯は当たり前のようになっています。それは、子どもがいても同様です。2020年国勢調査によれば、子どもを持つ女性の半数以上は仕事を持っています。

<女性の末子年齢別就業率>

画像:「2020年国勢調査」より筆者作成

末子、つまり最年少の子どもが3歳未満の場合には、女性の就業率は全国平均よりも東京のほうが高くなっています。子どものいる女性の働きやすさは、保育園が充実していることや、育児休業の制度が整っていることが大切ですが、配偶者の育児へのかかわり方も影響するでしょう。

東京都では、夫の勤務先に育児休業等制度の利用が全国平均よりも高く、制度上も夫が育児しやすくなっています。そういったことも、女性の就業率を上げているのではないかと考えられます。

子どもが中学生、高校生の年齢層(13~17歳)では、働く女性はさらに増えますが、この場合には全国平均が東京を上回ります。進学にお金がかかる心配が大きいからかもしれません。東京の女性の就業率は、全国平均ほどには子どもの年齢に影響をうけないと言えるでしょう。

都内で暮らす、世帯主が40~44歳の世帯収入のうち、1カ月あたりの勤め先からの収入は、世帯主が約55万2000円、配偶者は約13万円、その他が2万9000円で、合計71万1000円(東京都「都民の暮らし向き」2023年より)。世帯年収にすると、約853万2000円です。

<世帯主が40~44歳の収入(東京都)>

画像:「都民のくらしむき」東京都生計分析調査報告(2023年)より筆者作成

配偶者の収入の平均は、月あたり13万円です。年収の壁を超えて働く人の増加が、データからも見えてきます。年収が増えると、税金や社会保険料が増えるので、額面ほどには手取りが増えないことをデメリットに感じる人が多くいます。しかし、配偶者自身が社会保険に加入することで、将来の年金増加や、病気やケガの際の社会保障給付が充実します。働き方は、総合的に考えて決めていただいきたいと思います。

その他収入には、夫婦の収入以外のものが含まれています。たとえば、保有している不動産からの家賃収入、副業収入のほか、育児休業給付などの社会保障給付も含まれます。社会保障給付には、児童手当や出産手当金、病気やケガをしたときの傷病手当金などがあてはまります。もれなく受け取れるよう、情報収集はしっかりをしておきたいですね。

<世帯主が45~49歳の収入(東京都)>

画像:「都民のくらしむき」東京都生計分析調査報告(2023年)より筆者作成

40代も後半になると、収入がアップします。世帯主が45~49歳では、世帯収入のうち、1カ月あたりの勤め先からの収入は、世帯主が約60万5000円、配偶者は約12万4000円、その他が4万3000円で、合計77万2000円(東京都「都民の暮らし向き」2023年より)。世帯年収にすると、約926万4000円です。

配偶者の収入は12万4000円と、40代前半より後半のほうが減っていますが、世帯全体での収入は増えています。世帯主の収入アップは、職場でのキャリアの積み重ねによるものでしょう。その他の収入は、特に「他の事業収入」が1万5000円増えていることが目立ちます。副業などで収入を得ている人が増えているようです。

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