はじめに

「公的年金シミュレーター」を使うと、自分の年金受給額がわかる

先の計算は60歳から65歳までの間も厚生年金に加入しているので、この間に厚生年金も増えます。厚生労働省が提供している「公的年金シミュレーター」を使って、いくつかシミュレーションをしてみます。細かな計算は省いて、結果だけを示します。

先ほどのケースを「公的年金シミュレーター」で計算すると次のようになります。

【65歳まで働いたときに年金額=月額17.25万円】
65歳まで年収300万円で働くと、65歳からの年金は月額17.25万円(年額207万円)です。

【70歳まで働いたときの年金額=月額18.75万円】
70歳まで年収300万円で働くと、65歳からの年金額は、徐々に増えていき、70歳からの年金は月額18.75万円(年金額225万円)になります。

70歳まで働いても、目標額の月額22万円までは3.25万円足りません。

老後資金の700万円は取り崩していないので、老後資金がなくなるのは87.94歳と少し伸ばすことができました。しかし、厚生労働省「令和5年簡易生命表の概況」によると、男性65歳の平均余命は19.52年、84.52歳なのでそれを越えることになりますが、女性65歳の平均余命は24.38年、89.38歳なので十分とはいえません。また、長寿の時代ですから不安は残ります。

70歳まで年金の繰下げ受給をする

次の作戦は年金を70歳まで繰り下げる、です。

年金の繰下げ受給をすることで、年金額が増額になります。1年遅らせることで、8.4%の増額になりますから、70歳まで繰り下げれば42%増額、75歳まで繰り下げれば、84%増額になります。

70歳まで年金の繰下げ受給をすることにし、かんばって70歳まで働きます。60歳から70歳まで働くことで給与がありますから、その間の生活費は給与で補います。

【70歳まで繰り下げたときの年金額=月額26万円】

年金の受け取りを70歳にすると年金受給額は月額26万円(年額312万円)になりました。

目標の22万円を4万円も上回ることになります。しかも、老後資金の700万円は手つかずに残っています。この700万円は、旅行などのレジャー費、または介護が必要になった時の費用としてとっておけます。こうなれば、すこし余裕をもった老後生活が送れそうです。

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