はじめに

児童手当は、2024年の10月分から支給対象や支給額が拡充され、総受給額が増えることになりました。

これまで児童手当を受け取っていた家庭は、特に手続きをしなくても自動的に改正内容が反映されます。大半の家庭ではすぐに受給額が増えるわけではありませんが、一部の家庭では最短で12月から増額になった児童手当が振り込まれます。

ただし、一部の家庭は自主的に手続きを行わないと受給できないため注意が必要です。そこでこの記事では、児童手当の主な改正点と合わせて、すぐに受給額が上がる家庭や、手続きが必要な家庭についてご紹介します。


児童手当の主な改正点は?

児童手当は1972年から始まった制度です。何度か内容が見直されていますが、2024年10月分からは、次のような内容に変わりました。子育て世帯にとって、児童手当は大切な収入源のひとつです。どのような点が変わったのか、しっかり把握しておきましょう。

<児童手当の主な変更点>
・支給対象となる時期が、中学生年代までから高校生年代(※)まで延長
※18歳に達する日以降の最初の3月31日まで
・第3子の支給額が月3万円に大幅アップ
(以前は3歳~小学生の時期が月1.5万円、ほかの時期は月1万円)
・所得制限が撤廃され、国内居住の子どもは全員対象
・支給回数が年3回から年6回(偶数月に支給)に増加
・人数のカウント対象となる児童を高校生年代までから22歳の年度末まで拡大

<2024年10月分以降の児童手当の支給額>

対象:国内に居住する児童を養育している父母等
資料:こども家庭庁「児童手当制度の概要」をもとに執筆者作成

上記の通り改良されたので、今回の改正で損をする家庭は基本的にはありません。受給対象が高校生年代まで伸びたことで、児童手当の受給総額は、第1子・第2子が234万円前後、第3子以降は最大で648万円前後※まで増えます。養育費や教育費の全額をカバーするのは難しいでしょうが、特に第3子以降ならば、かなり軽減できると期待できます(※4月生まれのほうが3月生まれに比べて11カ月多く受給できるため、受給総額は生まれ月によって異なります)。

高校生年代の人は新しく受給開始に!

現在子どもが高校生年代の家庭は、児童手当の受給が始まります。受け取るためには「認定請求」の手続きが必要なので忘れずに行いましょう。子どもが高校生ではない場合や、別居している場合でも、経済的支援をしていれば対象になります。

手続き方法は、自治体から届く手紙や、ホームページなどで確認できます。手続きの期限は「令和7年3月31日まで」となっていて、申請が遅れてしまうと総受給額が減ってしまう可能性があるため、忘れないうちにすぐ行いましょう。

なお、2026年からは高校生年代の扶養控除が現行よりも縮小される予定のため、収入金額が2025年と同じ場合、手取り収入は減ってしまいます。つまり、児童手当の金額分がまるごと収入アップになるわけではないので、注意が必要なのです。また、扶養控除の縮小により所得額が変わるため、自分が利用している所得制限のある支援制度の要件について、ひと通り再チェックしておくと良いでしょう。

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