はじめに

年末年始は投資家にとって絶好の「振り返り」と「戦略更新」の時期です。1年間の取引を振り返り、保有銘柄を冷静に評価し直すことで、翌年の投資戦略を最適化するチャンスとなります。今回は利益確定や損切りを行う際の具体的なアプローチに加え、実践しやすい投資手法やポイントをお伝えします。


(1) 上昇トレンドを維持する銘柄を残す

短期的な調整はあっても、長期の上昇トレンドを崩さない銘柄は、長期投資においては継続保有が基本です。「上昇トレンド」はテクニカル分析で確認することができます。

上昇トレンドの見分け方(テクニカル指標)の例を挙げておきましょう。

1.パーフェクトオーダー
短期・中期・長期の移動平均線が「上から順に並ぶ」状態です。例えば、5日線 > 25日線 > 75日線と並んでいる場合は強い上昇トレンドのサインです。

2.押し目買いのサポートライン
チャート上で株価が25日移動平均線や75日移動平均線付近で反発する動きが見られれば、上昇トレンドが継続している可能性が高いです。

3.MACD(マックディー)の上昇クロス
MACD線がシグナル線を下から上へ抜けると、上昇トレンド再開のサインです。

4.RSIの上昇(50以上を維持)
RSI(相対力指数)が50以上を維持している場合、買い勢力が優勢であることを示します。

(2) 下降トレンドや業績悪化の兆候がある銘柄を手放す

決算の悪化や業界全体の低迷が見られる場合、早めに見切りをつけることが重要です。
下降トレンドの判断材料としては、以下が挙げられます。

1.移動平均線のデッドクロス
短期移動平均線が中期・長期の移動平均線を「上から下へ」抜ける状態。下降トレンド入りのサインです。

2.安値更新と高値切り下げ
チャート上で「直近の安値を割る」「高値が徐々に低くなる」場合、トレンドは下降傾向です。

3.MACDの下降クロス
MACD線がシグナル線を上から下へ抜けると、売りシグナルです。

4.RSIが30以下になる
RSIが30を下回ると「売られ過ぎ」ですが、同時に下落が加速していることも示唆されます。

業績悪化の兆候を見抜くには?

業績悪化の兆候を決算書から見抜くポイントは以下になります。

1.売上高の減少
連続して売上高が減少している企業は業績悪化の可能性が高いです。

2.営業利益率の低下
本業の収益性が悪化しているかどうかを確認します。

3.自己資本比率の低下
財務の健全性が損なわれている場合、企業の経営リスクが高まります。

4.キャッシュフローの悪化
営業キャッシュフローがマイナスになっている企業は要注意です。

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