はじめに

米国のトランプ次期大統領の政策の影響が不透明ながらも、IMFの世界経済見通しによると2025年の世界経済は3%強の成長が見込まれています。世界的にインフレが鎮静化し、中央銀行は金融緩和を進め、グローバル景気は緩やかに回復基調を辿るというのがメインシナリオです。そうした環境下、「グローバル景気敏感」とされる日本の上場企業の業績は底堅く推移するでしょう。


日本企業の構造改革が進めば4万7000円も想定できる

プライム上場企業の業績は2024年度中間決算時点で4年連続最高益ですが本決算もこのまま着地して、来期2026年3月期も5年連続の最高益更新を目指すことになるでしょう。

日経平均ベースではアナリスト予想の平均であるクィックコンセンサスで来期の増益率は8%と見込まれています。EPS(1株当たり純利益)に直すと2800円程度になります。2025年に日本企業の成長期待が高まる要因が現時点では見当たらないため、日本株のバリュエーション(PERなど)は大きく変わらないと仮定します。よって日経平均ではPER16倍、4万5000円程度が2025年末のメインターゲットと想定しています。

非常に重要な要因として、日本企業の構造改革が挙げられます。企業は資本効率を考慮した経営に舵を切っており、持ち合い解消、不採算事業からの撤退などを進めてきました。自社株買いや増配など株主還元は過去最高水準に増加しており、下値を支える大きな材料となります。こうした企業の構造改革が加速するようであれば、成長期待が台頭しバリュエーションが高まるかもしれません。そうなれば当然、株価の上値も切り上がるので、アップサイドシナリオとして日経平均は4万6000~7000円程度までの上昇も想定できます。

注目は金融、防衛関連か

注目セクターは金融です。金利上昇や新しい少額投資非課税制度(NISA)など良好な国内環境を背景に好調が継続するでしょう。加えて米国の規制緩和も追い風になります。また防衛関連セクターも注目を集めるでしょう。

トランプ氏の米国第一主義は「米国以外の世界」への関与の低下であり、それはグローバル協調体制の脆弱化とロシア、中国、イラン、北朝鮮などの権威主義国家の増長を招きかねません。その結果、世界情勢はより不安定化し各地で紛争が起こりやすくなるでしょう。日本を取り巻く国際環境も安全保障上の緊迫の度合いが増すと思われます。日本の防衛産業への注目度は高まるでしょう。

投資管理もマネーフォワード MEで完結!配当・ポートフォリオを瞬時に見える化[by MoneyForward HOME]