はじめに

「投資」といえば真っ先に思いつくのは、株式投資でしょう。購入した株が値上がりしたらお金が増えたり、配当金・株主優待がもらえたりします。でも、株主のメリットはそれだけではありません。今回は、株主になったら受けられるメリットを紹介します。


そもそも株主とは?

私たちの身の回りにある株式会社は、株を発行して資金を集め、さまざまな事業を行っています。株式会社が発行した株を購入し保有する人のことを「株主」といいます。

株を保有するということは、企業の一部を保有することでもあります。企業のオーナーといったら、わかりやすいでしょう。

株式会社は、オーナーである株主に利益の一部を配分したり、受け取ったお金をどのように使ったりしたかを報告します。

もっとも、私たちはすべての株式会社の株を購入できるわけではありません。私たちが購入できる株は、証券取引所に上場している株のみです。証券会社を通じて証券取引所に株の注文を行なうことで、売買をしています。

よく「株式投資はギャンブルだ」という人がいますが、そんなことはありません。株式投資は、企業の成長を応援できる立派な投資です。自分が出資し、応援した企業が日本や世界の経済発展に貢献するかもしれないと考えれば、意義のあることだと思えますよね。自分が投資した企業が日本・世界を牽引するようになれば、利益もたくさん受け取れるでしょう。

株主になったら得られるメリットは?

株主は会社の一部を保有することになるので、会社に対してさまざまな権利を持つことになります。株主が受けられるメリットを見てみましょう。

利益が得られる

株主のメリットとしてイメージしやすいのは、やはり利益を得られることでしょう。株主になると、次のような利益が得られます。

・配当金がもらえる(利益配当請求権・剰余金配当請求権)
配当金は、企業が株主に対して支払う利益の一部です。配当金を支払うことを「配当」といいます。株主には、配当金を受ける権利があります。これを利益配当請求権(剰余金配当請求権)といいます。

配当金は原則、企業の最終的な儲けである「当期純利益」から支払われます。日本株の場合年に1~2回、米国の場合年に4回もらえるのが一般的です。保有株数が多い株主ほど、配当金もたくさんもらえます。もちろん、1株の株主でも1株分の配当金をもらえます。

なお、配当金はすべての企業が出しているわけではありません。特に成長企業などの場合、「配当金として還元するよりも自社の成長に使った方が株主のためになる」などとして、配当を行わない場合があります。

・株主優待がもらえる
株主優待は、株主に対して送られるプレゼントのようなもの。こちらも配当金と同様、実施は自由ですが、上場企業の約1500社が実施しています。人気はやはりお金同様に使える商品券や無料券。自社の商品の詰め合わせ、他では手に入らない株主優待限定モデルの商品など、会社によりさまざまです。

近年、株主優待は減少傾向にあったのですが、2024年は株主優待の新設数が廃止数を上回りました。株主優待が新設されるというニュースは個人投資家の間でもよく話題になっています。企業としても、自社のことを好きになってくれる株主を増やせるメリットがあります。

・企業が解散したときに残った財産がもらえる(残余財産分配請求権)
企業が解散するとき、負債を返済してもまだ財産がある場合に、株主は残った財産の分配を受けることができます。この権利を残余財産分配請求権といいます。なお、負債を返済した結果、財産がなければ分配は行われません。

企業の経営に関われる

企業に投資したものの、肝心の企業が意に沿わないことをしていたら困りますよね。株主には、企業の経営に関わることのできる権利もあります。

・株主総会に出られる
株主総会は、株主が1年に1度集まって行う会議です。企業は株主総会で業績や経営方針を報告します。株主は、それに関する質問や意見を通じて、企業の方針を確認することができます。一般的には、1単元株(100株)以上保有している株主が株主総会に参加できます。

・株主総会の決議に加われる(議決権・経営参加権)
株主総会では、会社の経営に関する重要な事項の決議が行われます。株主になれば、この決議に加われます。これを議決権(経営参加権)といいます。議決権を行使することで、自分の考えを企業の活動に反映してもらうことができます。

株主総会の議決権は通常、1単元株で1つ与えられます。議員や市区村町長などの選挙は分け隔てなく「1人1票」ですが、株主総会の議決権は大株主ほどたくさんもらえて、その分自分の考えを反映しやすくなります。

・株主総会で議題や議案を提案できる
株主総会で話し合う議題や議案は、株主から出すこともできます。議題は株主総会で話し合うテーマのことで、議題の提案には総株主の1%以上の議決権が必要です。この「1%」は単独である必要はなく、複数の株主でまとめて1%であればOKです。対する議案は、議題に対する意見のようなもの。こちらは1株でも保有していれば出すことができます。

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