はじめに
米国債を活用した年金の上乗せシミュレーション
実際にどの程度の収入が得られるのか、既発の利付債を例に具体的な数字を見てみましょう。以下は、残存期間が約11年の米国債(利付債)の販売情報です。
・満期償還日:2036年2月15日
・利回り:4.346%(税引前・複利、買付金額に対する割合)
・単価:101.33(額面100ドルあたりの購入価格)
・利率:年4.5%(税引き前・外貨ベース、額面に対する割合)
・最低買付額面:100米ドル
・買付単位:100米ドル
なお、いくつかの金融機関のホームページでは、購入額面と為替レートに応じた概算のシミュレーションを無料で提供しているので、活用することをおすすめします。
例えば、為替レート1米ドル=152.31円として、1,000万円で前掲の米国債を購入する場合の概算は以下の通りです。
・受け渡し代金(経過利子含む):65,888.88 米ドル(1,003万5,535円)
・年間利子収入:約2,925米ドル(約44万5,000円)
・年間手取り:約27万円(20.315%の源泉徴収後)
このケースでは、月額2万2,000円程度の収入が11年間得られることになります。
ただし、受取利息を含めた損益分岐点は1米ドル=103.27円です。つまり、ドルベースでの投資元本は保証されるものの、今後、円高が進めば投資元本を割り込むリスクがあります。さらに、金利上昇時には債券価格が下落するため、中途売却時に損失が出る可能性にも注意が必要です。
定年後の資産運用戦略としての米国債の活用
米国債投資は、定年後の資産運用の一つの選択肢として検討する価値があります。ただし、すべての資産を米国債に振り向けるのはおすすめできません。
重要なのは、自身の生活設計や資産状況に合わせて、適切な配分を考えることです。また、為替リスクを考慮し、円建ての安全資産とのバランスも忘れないようにしましょう。
定年後の資産運用に正解はありません。米国債投資を選択肢の一つとして検討することで、より安定した老後の収入確保につながる可能性があります。専門家のアドバイスも参考にしながら、自分に合った運用方法を見つけていくことが大切です。
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