はじめに
2025年の確定申告の期間が終わりました。経費等の入力作業が多い個人事業主の方からは、毎年溜め込まずにもっとこまめにやっておけばよかった…と思うものの、結局締切間近に焦ってしまう、という声を聞きます。
来年こそは繰り返さないで済むように、個人事業主の方に向けて確定申告の準備を楽にするクラウド会計ソフトの自動化について解説します。
クラウド会計ソフトの連携設定で自動化
個人事業主の方が確定申告をする際に、クラウド会計ソフトを使って事業に関わる収入や経費の記帳作業を行っている方が多いと思います。まったく手間をかけたくない場合、記帳代行サービスの利用や税理士へ依頼する方法もありますが、費用がかかります。費用はかけずに、なるべく手間をかけたくない方は、クラウド会計ソフトの便利機能を使い、自動化をしましょう。
クラウド会計ソフトには、銀行口座・クレジットカード・電子マネーなどの金融機関・サービスを連携させる機能があります。連携した金融サービスの利用履歴はすべて会計ソフトに自動反映されるため、あらかじめ連携設定をしておくことで、入力作業の負担を大幅に減らすことができます。
クラウド会計ソフトの連携設定を活用するための、3つのポイントについて解説していきます。
事業と家計のお金の出入り口を分ける
まず始めに準備するのは、事業用の銀行口座とクレジットカードです。家計と事業用を分けていない方も見受けられますが、事業に関わるお金と家計のお金の出入りが混ざってよくわからなくなっている、という声を聞きます。
事業に関わるお金と家計は、出入り口から分けておくことで管理が楽になり、事業費を把握しやすくなるメリットがあります。事業のスタート段階から準備しておくといいでしょう。
個人事業主の場合、屋号つきの口座名義にこだわる必要がなければ、今保有している個人名義の銀行口座の中から選んでも構いません。新規に作る場合は、振込手数料が無料もしくは比較的安価で、インターネット手続きが可能なネット銀行がおすすめです。
事業のお金の出入りを自動入力化
事業用の銀行口座とクレジットカードを決めたら、クラウド会計ソフトの連携設定を行います。連携可能な金融機関などは会計ソフトによって異なりますので、お使いの会計ソフトの連携先一覧をご確認ください。
会計ソフトと銀行口座やクレジットカードを連携させると、指定日以降のすべての利用明細が反映されます。自動入力された勘定科目や内容に相違がなければ、必要に応じて領収書などの帳票を添付した上で保存をして登録は完了です。いちから入力する手間が省け、入力漏れを心配する必要もありません。
事業利用とプライベート利用を兼ねているクレジットカードなども連携は可能ですが、プライベート利用の割合が多いと仕分け作業の負担が増えてしまいます。事業とプライベートのお金を出入り口から分けておくことで、作業面でも、管理の面でも、負担が軽減されます。