はじめに
日常生活や生き方を通して、お金の価値観・人生観を考えるきっかけになるような話題の本をMONEY PLUS編集部がピックアップ。書籍の担当編集者に読みどころやこだわり、制作秘話などを語っていただきます。
今回は、塩原匡浩著『90分で遺言書』をご紹介します。
『90分で遺言書』塩原匡浩著
担当編集者のコメント
「遺言書を書くなんて、まだ早い」
こんなふうに思っている人が多いと思います。
でも、人生、何が起こるかわかりません。もしかしたら大病を患って、遺言を作成するどころではなくなるかもしれません。はたまた、心身ともに疲弊した状態では、冷静な判断もできず、一時の感情に流されて、思ってもいないことを書いてしまうかもしれません。
できれば元気なうちに、家族や知人たちへのメッセージを残しておきたいものです。
遺言というと、なんだか敷居が高いものに感じますが、とくに決まった形式があるわけではないのです。自分が書きやすいかたちで大丈夫。もし遺言を書いてみたいと思っていても、なかなか書けないなら「9マスユイゴン」をおすすめします。
これは、行政書士・社会福祉士の塩原匡浩氏が考案した、不思議な遺言書のフォーマットです。
名前のとおり、この遺言書には9つのマスが大きく印刷されています。これは、まんだらの原理を取り入れたもの。枠があると埋めたくなるという人間心理を活用しているそうです。
クロスワードパズルや数独などにも使われている仕組みで、何となくマスに書き込みたくなる気持ちがわかると思います。
しかも、「第1条 遺言者は……」といった堅苦しい条文よりも、もっと自由に、自分の気持ちをストレートに表現することに注目した遺言書なので、日記やブログ感覚で手軽に書けるのが最大の特徴です。
「9マスユイゴン」の書き方だけでなく、どんなことを書いたらいいのか、法的効力を持たせるにはどうすればいいか、トラブルを回避するコツは何かなど、本書を読めばより詳しくわかります。
ぜひ、このニュータイプの遺言書を活用してみてください。
(ダイヤモンド社:担当編集 田口)