はじめに

トランプ政策は今後どうなるのか

相互関税の上乗せ部分について、一部の国・地域に90日間の一時停止が許可されることになっても本質的なことは変わりません。トランプ政権の政策は、トランプ支持者への公約であるため、基本的な理念、すなわち米国に製造業を呼び戻すという目標は降ろすわけにいかないからです。

そしてそのための保護主義的な政策は、結局のところ、米国経済を痛めます。相互関税が発動されたのは日本時間9日午後1時1分ですが、その時間帯に米国の債券・通貨・株式は同時に売られるトリプル安の状況となりました。米10年物国債利回りは一時4.5%台に急騰し、ミニ・ダウ先物は一時700ドル安の下落、ドルも全般に売られ、対円では一時1ドル=144円50銭台までドル安・円高が進みました。

「関税発動で米国売り」という市場の反応が示唆することは、米国の関税政策は「米国の一人負け」につながるということです。それを察知したからトランプ大統領は態度を軟化させたのだと思いますが、だからと言ってどうすることもできないでしょう。特に中国は一歩も引かない構えを見せており、米中対立激化は避けられません。世界景気の悪化懸念はまったく払拭されていません。

したがって株式相場の大底も、まだ見通せない状況です。

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