はじめに

育児休業からの職場復帰は、暮らしや家計に大きな変化をもたらします。これから復帰を控えて不安を抱えている方や、すでに復帰し「想像以上に大変」と感じている方もいるかもしれません。それに加えて、子どもの急な体調不良など、突発的な対応が求められる場面も出てくると思います。

こうした中で、時短家電や家事代行、病児シッターといった支援サービスの導入を検討しながらも、復帰直後は時短勤務による収入減や保育料の支出増も重なり、「助かる場面も多そうだけど、本当に使っていいのか不安」と感じる方もいるのではないでしょうか。

本記事では、育休復帰後の家計の変化と、その支出をどうとらえるかについて、2度の育休復帰を経験したファイナンシャルプランナーが解説します。


育休復帰後、家計の支出はどう変わる?

仕事復帰後は、特に、以下のような家計の支出の変化がうまれます。

  • 時短勤務による収入減(時短勤務を選択した場合、手取りが減ることもあります)
  • 保育関連費の増加(保育料、延長保育、給食費、被服費、教材費など)
  • 通勤・仕事関連費の増加(交通費、ランチ代、ビジネス用の衣類など)

こうした仕事に必要な支出が増えることで、家計のバランスが大きく変わります。また、金銭面だけでなく、家事に割ける時間や心身の余裕も減りがちになります。そのため、「夫婦のどちらが負担するか」ではなく、「負担そのものを減らすにはどうすればいいか?」という視点が大切です。

家計の支出は「短期的なコスト」だけでなく「長期的なリターン」で考える

時短家電や家事代行、育児支援サービスの活用は、一時的な支出が伴うものの、家事の負担を軽減し、仕事と育児の両立をサポートしてくれます。すべてを自分で抱えるのではなく、「頼れる部分は頼る」という選択肢があることで、心にも時間にも余裕が生まれやすくなります。

さらに、多少のコストがかかったとしても、共働きを維持できれば、厚生年金の加入による年金額の増加や退職金の積み上げ、キャリア継続による将来的な収入増加といった家計全体に対する金銭的メリットにもつながります。

①時短家電
ドラム式洗濯機などの家電は購入時に費用がかかりますが、一度購入すれば継続的に時短効果が得られるため、コストパフォーマンスが高い支出の一つです。

②家事代行サービス
家事代行を活用する事で、家事負担の軽減だけでなく、家族との時間や休息の時間を確保することにもつながります。

※サービス内容や地域によって料金は変動する可能性があります。
※別途交通費がかかる場合があります。

③病児保育・シッターの活用
子供の急な体調不良の際に活用することで、仕事のスケジュールへの影響を抑えることができます。自治体やお勤め先によっては利用補助を提供している場合もあるため、事前に支援制度を確認しておくとよいでしょう。

※医師の診察・診断書が必要な場合があります
※施設により持参するものも違うため、事前に確認が必要

筆者自身も、2度の育休復帰を経験する中で、ドラム式洗濯機、お掃除ロボット、電気調理器を導入しました。どれも時短効果を実感していますが、特にドラム式洗濯機は、洗濯ものを干す・取り込む作業に25分ほどかかっていたので、日々の家事時間が大幅に削減したと感じています。保育園から持ち帰る汚れた洋服の洗濯・乾燥が寝ている間に終わるため、なくてはならない存在です。

また、育休復帰後からシルバー人材サービス、宅食サービス、ネットスーパーなども活用しながら、できるだけ家事の時間を減らして、子どもとの時間や自分の時間を確保するようにしています。なかでも、シルバー人材サービスは、非常に満足度の高いサービだと感じています。理由はコストパフォーマンスのよさです。たとえば、調理を依頼すると、2時間ほどでメイン料理1品と副菜3~5品を作ってもらえます。副菜は冷凍保存が可能なメニューを多めに作ってもらい、朝食や夜ごはんのおかずとして食べているため、お惣菜の購入や宅食サービスより費用対効果が高いと感じています。地域によっては調理の依頼はできないそうですが、ご興味があれば一度問い合わせてみるとよいでしょう。

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