半数が「今年の夏は自宅で」、では旅行するドイツ市民はどこへ?
海や山に人が押し寄せる光景も
「今年の休暇はどうする?」例年であればこの時期のドイツは休暇の行き先や過ごし方の話題で持ち切りですが、今年は様子が違います。統計データのオンラインデータベースを提供するスタティスタが「旅行好き」と評するドイツ市民も、コロナ禍においては旅行に対して慎重です。ドイツ公共放送連盟が6月に実施したアンケート結果もこうした姿勢を反映しています。回答者の51%が「今年の夏は自宅で過ごす」と答え、夏の旅行を断念しました。一方「旅行に行く」と回答した人の場合も、行き先は「ドイツ国内」が多数を占めており、国境をまたぐ移動を躊躇する様子がうかがえます。国内の旅行先選びにもいつもと違う傾向が見られます。独ツァイト紙の報道によると、今年の圧倒的な人気はバルト海や北海、フレンキッシェ・シュヴァイツといった自然あふれる場所。それ対して、ベルリンなどの都市は苦戦を強いられています。
営業再開も経営はギリギリ、ベルリンの映画館の「生き残り策」
現地の映画館からレポート
ベルリンの映画館が7月2日に営業を再開しました。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて休業を余儀なくされてから、109日ぶりの営業再開です。街中の映画館も、再開に伴い装いをあらたにしました。例えば、東ドイツ時代からあるキノ・インターナツィオナール。営業再開に備えて6月下旬頃から準備が始まり、3ヵ月間掛ったままになっていたバナーが掛け替えられ、新作のポスターが貼り出されました。映画館の営業再開に際しては、喜びの声が上がる一方で、地元紙ベルリーナー・モーゲンポストは「チケットは簡単に手に入るのか?」「衛生面の配慮は十分なのか?」「そもそも密室に来る観客はいるのか?」などの不安の声も伝えました。
30年前に逆戻り?ドイツで「男女不平等」がなぜ進むのか
コロナが社会構造を浮き彫りに
ドイツは、ヨーロッパの中でも男女平等に積極的に取り組む国です。世界経済フォーラムが2019年12月に公表した「ジェンダー・ギャップ指数」においても、対象の153ヵ国中10位にランクイン。前年度に比べて順位を4位上げました。121位の日本を大きく引き離しています。しかし同国では、コロナ禍によりこれまでの努力が無駄になり、再び男女格差が開くのではないかという危惧が高まっています。
コロナ規制緩和のドイツで「陰謀論」が渦巻く背景
飲食店の営業再開はしたが…
「子育てをしながらの在宅勤務なんて、チョコレートクリームで歯を磨くようなもの。無理な話だ」これは筆者が4月30日に隣人たちから聞いた話です。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、ドイツにおいては3月下旬から「コロナ・レーゲルン(Corona-Regeln)」と呼ばれる一連の規制が導入されており、4月下旬には市民の疲労も濃くなっていました。「こんな生活がいつまで続くのだろう。家族や友人に会うことさえままならず、買い物に行くにも地下鉄に乗るにもマスクを着けないといけないなんて」隣人たちとの立ち話からおよそ1ヵ月。こうした規制は徐々に緩和されています。規制緩和を受けて、市民生活は以前のようなスタイルに戻るのでしょうか。
コロナ死亡率低いドイツ、自営業者が体験した支援金と外出制限のリアル
欧州で一番に外出制限を緩和
新型コロナウイルス感染の拡大を受けて、ドイツで外出制限が出されてからおよそ1ヵ月。ドイツは他の欧州諸国に比べて、新型コロナによる死亡率を低く抑えることに成功しています。メルケル首相は4月15日に記者会見を行い、外出制限に関する今後の見通しを発表しました。具体的には、現在の外出制限は5月3日まで延長されること、学校の授業は5月4日以降、卒業学年から順に再開されること、大規模のイベントは8月31日まで禁止されることなどが伝えられました。4月20日からは中小規模の小売店舗の営業が一部で再開されており、ドイツは外出制限の緩和に乗り出しています。