高金利の外貨預金、注意点は?インフレの防衛手段として有効なのか
外貨建て資産を持つ別の方法も
円預金ではほぼ金利がつかないため、高金利の「外貨預金」を始めたいと考えている方が増えているようです。会社員の近藤聡さん(仮名・32歳)もその一人で、「ネット証券やネット銀行などではかなり高金利のものもあり、とても魅力的に見えますが、注意点はありますか?」と相談されました。
米ドルに次ぐ基軸通貨・ユーロの問題点、導入国の中で最も注目すべき国とは?
屈指の低金利通貨はどう取引すべきか
欧州統一通貨の「ユーロ」は、1999年1月に誕生し、当初は欧州の11ヵ国で導入されました。それまでは、独の通貨はマルク、そして仏の通貨はフランでしたが、それらがユーロに換わったのです。そして、そんなユーロを導入する国は、2022年6月現在で19ヵ国まで拡大しています。このユーロ導入国の経済規模を合計すると、米国に次ぐものとなることから、ユーロは米ドルに続く「第二の基軸通貨」と呼ばれました。「第二の基軸通貨」の問題点ただ、このように複数の国で構成された通貨だけに、いくつかの問題も抱えています。例えば、一つの国の経済政策において、金融政策と財政政策は、前者は中央銀行が、そして後者は財務省が担うケースが一般的です。ところが、複数の国で構成されているユーロにおいては、中央銀行こそECB(欧州中央銀行)が作られたものの、財務省は各国にそれぞれに存在したままで、「欧州統一財務省」はありません。その危うさが問題として表面化したのが、2010年前後に起こった「欧州債務危機」でしょう。始まりは、2009年にギリシャ財政赤字の事実上の「粉飾」が発覚したことでしたが、その後債務問題は、イタリアやスペインとい
2日で約5円の米ドル下落−−7月末の「円高パニック」が起きた原因と今後の見通し
外貨運用の難敵を緊急解説
7月末にかけて、一時132円台まで米ドル急落となりました。7月27日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)前後には137円台だったわけですから、たったの2日ほどで約5円もの米ドル下落、これは久しぶりの「円高パニック」ということになるでしょう。3月から記録的ペースで米ドル高・円安が進んだことで、FXも含めて外貨の運用を始めたという人は結構いらっしゃると思いますが、そういった人からするとほとんど初めて遭遇した「円高パニック」で不安になった人も少なくないのではないでしょうか。そこで今回は、「間違いだらけのFXトレード」を連載している立場として、不安解消の一助となるように、なぜこの「円高パニック」が起こったのか、そしてこの先どうなるか、という2つのテーマを中心に解説したいと思います。
米ドルが上下どちらに変動するか−−FXトレードで金利差が重視される理由とは
通貨の特徴を正しく理解する〜米ドル編(3)
米ドル/円でFXの取引を始めるとしましょう。米ドルが「上がる」と考えるなら「買う」ことになり、逆に「下がる」と思うなら「売る」ことになります。では、「上がる」か「下がる」かは、どのように考えたら良いのでしょうか?
FXトレードで覚えておきたい金利と株による為替相場への影響
通貨の特徴を正しく理解する〜米ドル編(2)
前回、米ドルの特徴として「有事の米ドル買い」を紹介しました。次に米ドルの特徴として取り上げるのは、「世界一の経済大国」米国の通貨ということです。結論的に言うと、世界経済は一般の予想以上に「世界一の経済大国」米国の影響が大きく、その結果為替相場もかなりの割合、「米ドル変動の結果」となっている可能性があるということなのですが、順を追って説明したいと思います。
「通貨の王様」米ドルのおさえておきたいポイント、有事で為替はどう動くか?
通貨の特徴を正しく理解する〜米ドル編(1)
「間違いだらけのFXトレード」から卒業するためには、主だった通貨の特徴について正しく理解することも重要だと思います。そこで、それぞれの通貨の特徴について説明したいと思います。最初はもちろん世界で最も多く取引されている通貨、その意味では「通貨の王様」という存在、基軸通貨(キー・カレンシー)の米ドルです。
FXで「失敗」しないための通貨選択の考え方
注意すべき「変動率」の差
日本株への投資の場合、個別銘柄は約4,000にも上るとされます。この中から個人投資家が自分で考えて投資対象を選ぶのは大変そうですね。このため、株式投資のセミナーなどでは、推奨銘柄の話にグッと関心が高まるのが常です。これに対してFXの場合、投資対象は「通貨ペア」と呼ばれますが、マネックス証券のFX PLUSの場合で16種類です(2022年5月末現在)。通貨ペア数が多い取引所でも70種類強なので、これだったら数が少なく、迷えず選べそうと感じるのではないでしょうか。FXは通貨ペアも少ないから、銘柄の選択(通貨選択)もシンプルで簡単そうと思ったあなたが、結果的に「失敗」しないように、FXの通貨選択の基本的な考え方について、今回は説明したいと思います。
年収300万円以下だと円安で家計は年5.8万円の負担増−−製造業にメリットがある、というのは本当なのか?
円安による日本経済への影響を解説
急速に進む「円安」をめぐって、日本経済にとって円安が「良いのか」「悪いのか」の議論が絶えません。さまざまな議論をめぐり、「結局、円安ってどうなの?」と“混乱”している方が多いでしょう。この混乱こそが、金融を難しく感じさせる要因の1つだと思います。そこで、今回は円安の悪い側面、良い側面をそれぞれきっちり解説していきます。
円安でもS&P500への積立投資を続けるべき?
市場の値下がりにはどう対処すべきか
2022年に入って、急速に進んだ円安。これまで、米国株市場の好調を背景に、米国市場の値動きを示す「S&P500」と連動する投資信託に投資してきた方も多いでしょう。株高と円安が同時に進むなら、外貨建て資産にとってはポジティブなので気にする人も少なかったのではと思います。しかし、米国株式市場は全体に下落傾向になり、そんな中、ドル円が1ドル136円になるなど円安が一気に進んでいます。こうなってくると「円高になってから買いたい」などと思う人もいるかもしれません。そこで今回は「円安でもS&P500への積立投資を続けるべき?」というテーマを一緒に考えていきます。
「眠らないマーケット」FXで不眠症にならないための秘訣
時間・取引手法を「選ぶ」
これまでも、株式投資などにはないFXならではの特徴を取り上げながら、それを正しく理解し、取引の成功をもたらすために必要なことを確認してきました。その上で今回は、FX取引の特徴の一つである「時間に制限されず24時間いつでも取引が可能」ということについてお話ししたいと思います。24時間「眠らないマーケット」でもある外国為替市場で、「世界を相手に戦うぞ!!!」と勇ましく始めたのに、「自分のポジションが心配で不眠症になってしまいそう」といった話を聞くことがあります。これもまた、FXトレードにおける「失敗例」と言えるでしょう。そもそも、昔の人気CMにもあったように、「24時間戦えますか?」と聞かれると、普通は無理でしょう。基本的に取引時間に制限のない外国為替取引、FXだからこそ、予めある程度のルールを作って取り組む必要があるというのが今回お伝えすることです。
円安でのつみたてNISA・iDeCoの考え方、選ぶべき投資信託とは?
確認すべきポイント
日本は急激に「悪い円安」が進んでいるといったニュースを目にする機会が増える中、不安に感じる方も少なくないでしょう。今回は、「円安」が資産形成にどのような影響を及ぼすのか、具体的にどのようなアクションを起こすべきなのかを解説します。
投資を始めたものの損失がどんどん拡大−−「損切り」のタイミングをどう判断すべきか?
経済アナリストが実践する方法
経済アナリストの馬渕磨理子です。私は金融業界に入り10年になりますが、最初の頃は「損切り」が苦手でした。しかし、株式投資をする時に「損切り」の知識は必要です。苦手だった「損切り」と向き合ったことで、自分なりの損切り方法と出会い、今ではその方法を大切に実践しています。コロナ以降に株式投資を始めた方から、「損失が出ていて、どうしらいいの?」と不安に思っている声をよく聞きます。今回は損切りの考え方、損切りの方法を具体的に紹介することで、皆さんにとっても参考にしていただけると思います。
FXの利益が吹き飛ぶ「ショック相場」を回避する方法、意識すべき相場の転換点とは
2つの代表例から考える
FX取引の典型的な失敗例として、コツコツと積み上げてきた利益が、ある日突然ドカンと消失してしまうケース「コツコツドカン!」(第7回参照)があります。これに陥らないためには、自分が取引している相場の「上がっている理由」「下がるリスク」など、ある程度は理解することが大切です。今回は、どうしたら「ドカン!」を回避できるか、深掘りしていきたいと思います。
円安が追い風になる−−インバウンド需要で恩恵を受ける企業は?
6月10日から外国人観光客の受け入れ再開
政府は、6月10日(金)から添乗員付きのツアー観光客や長期滞在の外国人をおよそ2年ぶりに受け入れる事を再開すると発表しました。観光目的を除く外国人の新規入国は、1日あたりの入国者数の上限を3月1日(火)に5,000人、14日(月)に7,000人、4月10日(日)には1万人と、段階的に引き上げてきましたが、観光客の受け入れもようやく再開される見通しです。
FXの典型的な失敗「積み上げてきた利益が一日で消滅」の原因とは
利益と損失が出る理由を知る
FX取引で損失を出してしまう「失敗例」の中でも、典型的なケースでよく使われる言葉に「コツコツドカン!」があります。聞いただけで、何となくイメージできそうですが、まさに「コツコツ」と積み上げてきた利益が、ある日突然「ドカン!」と吹っ飛んでしまった、というケースです。今回はそんなFXトレードのどこに「間違い」があったのか考えていきたいと思います。
下落リスクが高い高金利通貨、いまの相場が割高か割安かを見極める方法とは?
失敗しないためのトレードを考える
FXにおける2大収益機会である金利差と価格変動。このうち、前者への期待が大きい高金利通貨のトレードにとって、後者はあまり気にせず「中長期保有が望ましい」といった話をよく聞きますが、キャピタルロスのリスクの観点から「間違い」の可能性があります(第5回参照)。今回は、高金利通貨のトレードで失敗しないための「循環的な売買」を考えていきたいと思います。
「高金利通貨トレードで「金利差狙いで中長期保有」が間違いといえるワケ
「高金利」が示す、その国の状態とは
多くのFX会社が取り扱っている高い利回りの通貨として、トルコリラ、メキシコペソ、南アフリカランドなどがあります。こういった高金利通貨は「金利差狙いの中長期保有が望ましい」といった話を聞くことがあります。しかし、その考え方は「間違い」の可能性があります。今回は、高金利通貨の取引について説明したいと思います。
「ユーロ売りブーム」の正体と下落が広がっても投資家が動けなかった理由
成功体験の後に訪れた失敗
「売り」からも始められるのはFXの大きな特徴の一つです。ただ、本来的に不確実な相場予想に偏り、確実性の高い金利差を無視したことによる「失敗例」について、前回は紹介しました。今回は、低金利通貨のユーロの売りで「成功」と「失敗」の両方を経験したケースについて紹介したいと思います。