24年ぶりの為替介入、前回との共通点と相違点は?円安は業績にどう影響するのか
6割の企業がマイナスと回答
2022年9月22日(木)、24年ぶりに円買い介入が行われました。同日開催された日銀の金融政策決定会合で大規模な金融緩和維持を決定した事や、前日開催された米国のFOMCで0.75%の利上げが発表されていた事により、日米金利差が更に拡大してしまう懸念から、一時145.90円まで円安が進みました。円買い介入は、黒田日銀総裁の会見が終了した後の17時過ぎにロンドン市場で行われ、意表をついた介入だった為、145円台から一気に一時140円台前半まで円高が進みました。
140円での米ドル売り後にさらなる円高−−早過ぎた利確の失敗を回避できた3つの理由
「感覚トレード」から抜け出すための知識
為替相場は相変わらず、激しい値動きが続いています。米ドル/円相場は、9月に入ると一気に140円の大台を超えると、そのまま145円に近付くまで一段高となりました。こうした中で、こんな話を聞きました。「140円を超えたところで米ドル買いのポジションを決裁したんです。利益は出たのですが、その後さらに米ドル高になったから、米ドルを売るのが早過ぎたと反省しています」要するに、もっと大きな利益を上げられたはずなのに、「儲けそこなった」ということで、損をしたわけではないので、「うらやましい不満」と言っても良いかもしれません。それにしても、このように大幅な米ドル高・円安が続くと、「さすがにもう終わりも近いだろう」と考えるのも人情でしょう。ただ、そんな「感覚トレード」は、実は回避できた可能性があることについて今回は説明したいと思います。
24年ぶり145円台のドル高円安、為替変動が好機となるFX取引のリスクと注意点
円安はこのまま進行していくのか?
記録的な円安が止まりません。9月7日(水)には1ドル=144円台を記録。1998年8月以来24年ぶりの円安水準を再び更新しました。そして9月22日(木)にFOMCの結果を受け、ドル円は145円という24年ぶりの水準をさらに超え146円に迫る勢いでしたが、夕方ごろに円買い介入が1998年6月17日(水)以来、約24年3カ月ぶりに行われて、一気に5円ほど下落する場面もありました。値動きが激しい=ボラティリティが高い状況が続いていますね。
米利上げがなぜ今行われているのか、運用キャリア30年超えのファンドマネジャーがその背景を解説
金利を見れば投資はうまくいく(3)
投資家にとって注視しなければいけない米国金利ですが、なぜ今、利上げが行われているのでしょうか?そこで、運用キャリアが30年を超えるファンドマネジャー・堀井正孝 氏の著書『改訂版 金利を見れば投資はうまくいく』(クロスメディア・パブリッシング)より、一部を抜粋・編集して米国の利上げについて解説します。
世界的な金融危機は、なぜ10年に1度起きるのか−−背景にある4つの相場局面とは?
金利を見れば投資はうまくいく(2)
およそ10年に1度、世界的な金融危機が起こりますが、相場には4つの局面があり、それが概ね10年のサイクルで繰り返されていることに関係しています。そこで、運用キャリアが30年を超えるファンドマネジャー・堀井正孝 氏の著書『改訂版 金利を見れば投資はうまくいく』(クロスメディア・パブリッシング)より、一部を抜粋・編集して信用サイクルについて解説します。
運用キャリア30年超えのファンドマネジャーが明かす、投資家は経済指標よりも金利に注目すべき理由
金利を見れば投資はうまくいく(1)
連日のように、米国の利上げに関するニュースが取り上げられていますが、金利が変わることは投資家にとってどのような影響があるのでしょうか?そこで、運用キャリアが30年を超えるファンドマネジャー・堀井正孝 氏の著書『改訂版 金利を見れば投資はうまくいく』(クロスメディア・パブリッシング)より、一部を抜粋・編集して金利について解説します。
日銀と外国人観光客が円安の風向きを変える? 警戒すべき日米の政治面でのリスクも
マクロ要因から下期の相場を占う
2022年度の上期が終了しようとしています。今年は世界的なインフレ・金融政策の転換など相場に関するニュースが豊富であり、前年までの右肩上がりの相場とは一風変わり、下落基調ながら上下に大きく振れる展開となっています。直近でも経済指標で大きく相場が動きました。9月13日(火)に発表された8月分の米国消費者物価指数(CPI)が予想に反して高止まり傾向であったことを嫌気し、NYダウは今年最大となる1,273ドル安で反応しました。為替相場も大きく変動し、発表直前まで142円台で推移していたドル/円相場は、一時144円台後半まで上昇しました。このようにマクロ環境の変化への注目度が高まっていますが、下期はどうなるのでしょうか。今回は国内の動きを中心に、注目の話題について触れていこうと思います。
円高リスクでも外貨運用が必要な理由、現実味を増す円資産だけを保有するリスク
背景にある日米経済の構造変化
まだ外貨運用を行っていない、これから始めようと思ったら「歴史的円安」となっていたといった方々はどうしたらよいのでしょうか?前回は、割高局面での短期戦略について説明してきました。(1)投資額の抑制(2)ストップロスを付ける(3)小まめな利益確定といった3つの方法を解説しましたが、2・3などは「面倒そうで自分には無理!」と感じた方も少なくなかったかもしれません。割安局面での長期保有に比べると煩雑に感じそうですね。たしかに割高局面での外貨買いは、長期保有に比べると煩雑です。ただそれまでしても、米ドルなど外貨への投資を始める時代になっている可能性はあるのかもしれません。それは、円相場を取り巻く環境で構造変化が続く中で、かつてより円高になりにくく、円安になりやすい可能性が出てきたからです。
米ドル高・円安下からの急な円高−−FXでの大損は何が「間違い」だったのか?
重要なのは割高・割安の見極め
2022年3月から急ピッチで展開した米ドル高・円安は、2002年に記録した135円を超えると、1998年以来24年ぶりの歴史的な円安となりました。しかし、7月末からの1週間で、米ドル/円は一時130円割れ近くまで急落しました。歴史的円安局面が初めて大きく動揺したのがこの一週間だったのではないでしょうか。歴史的円安局面で、米ドルなど外貨への投資を始めたという方も少なくないと見られますが、そういった方々からすると、かなり不安を感じた可能性はあるでしょう。実際に、ネット上では「1,000万円以上の利益があっという間に無くなっちゃって唖然」のような、損失を出している方のコメントが目立ちました。こんな時こそ「間違いだらけのFXトレード」、この「FXトレード」を「外貨運用」に換えて、「間違いだらけの外貨運用」でもいいと思いますが、いずれにしてもこの連載の出番でしょう。今回は、なぜ円安から円高への急転換が起こったのか、このような局面ではどういった投資戦略が必要なのかについて、述べてみたいと思います。
ドル円が24年ぶり円安水準144円台に−−投資家なら知っておきたいインフレ関連の経済指標
FOMCが利上げを判断する2つの材料
私たちの生活でも物価上昇=インフレにより家計の負担が増えたり、為替が円安にうごいていることが連日ニュースで報道されたりしていますよね。9月6日(火)に1998年以来となる24年ぶりの円安水準で141円台をつけたかと思うと、翌7日(水)にはさらに144円台まで円安が進行。TradingViewよりこの急速な円安の大きな要因となっているのが、日米の金利差です。今年FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げが始まりましたが、日本では金融緩和が継続しており、低金利が続いています。一般的に金利が高い国の通貨は、金利の低い国より上昇しやすいといえます。日本円でお金を預けていても利益が少ないので金利の高いアメリカで資金運用する、という需要が高まるので、日本円を売ってドルを買う動きが強まる−−つまり、ドル高円安になるわけです。今後のドル円の動きを考える上でも、日米の政策を知っておくことは重要です。日銀黒田総裁は金融緩和継続のスタンスですので、それが変更となるのかが焦点ですが、今回は特に注目される米国の利上げがどうなっていくのか、そのために見ておくべき経済指標についてお伝えします。
50円から6円にまで下落−−暴落を繰り返す高金利通貨・トルコリラとの付き合い方
異例の長期下落、その背景は?
今回は、トルコリラ中心に複数の通貨について説明します。トルコリラは、FX投資においては、一定程度の流通量のある中で代表的な高金利通貨と位置付けられる一方で、2010年代後半からは頻繁に暴落する通貨としても知られるようになってしまいました。
ハイリスク・ハイリターンの新興国通貨、中長期的の投資で見極めるべきポイントは?
高いボラティリティと高金利の背景
今回は、新興国通貨で高金利通貨の代表格である南アフリカランドの特徴について説明したいと思います。南アランドを含めた新興国通貨の主な特徴は2つです。一つは高いボラティリティ、そしてもう一つは相対的に高い金利です。
東京市場とニューヨーク市場の違いは?現役ディーラーがマーケット毎の特徴を解説
勝者のトレード(3)
24時間マーケットが動いている外国為替市場ですが、時間帯によって取引可能な市場が変わり、特徴もそれぞれの市場で異なります。そこで、為替ディーラー・井口 喜雄( @yoshi_igu )氏の著書『1日で数百億を動かす現役ディーラーが教える 勝者のトレード』(KADOKAWA)より、一部を抜粋・編集して市場ごとの特徴を解説します。
為替ディーラーが明かすボラティリティの本質、理解すればリスクにならない?
ボラティリティトレードの鍵とは
相場の動き=価格変動があるからこそ、トレードは利益を上げることが可能となります。そこで、為替ディーラー・井口 喜雄( @yoshi_igu )氏の著書『1日で数百億を動かす現役ディーラーが教える 勝者のトレード』(KADOKAWA)より、一部を抜粋・編集してボラティリティについて解説します。
現役の為替ディーラーが明かす「負ける投資家」の共通点3つ
勝者のトレード(1)
投資にはさまざまな手法があり、そのやり方も投資家によって十人十色ですが、負けパターンには共通点があります。そこで、為替ディーラー・井口 喜雄( @yoshi_igu )氏の著書『1日で数百億を動かす現役ディーラーが教える 勝者のトレード』(KADOKAWA)より、一部を抜粋・編集して負ける投資家の共通点を解説します。
背景にある為替相場の究極的な決定要因−−同じオセアニア通貨の豪ドルとNZドルの関係性とは
資源国通貨は一方のみ
今回は豪ドルとNZドルの特徴を紹介します。この2通貨をまとめてオセアニア通貨とも呼びますが、通貨には通称があるのですが、豪ドルの場合は「オージー」−−オーストラリアという意味ですから、そのまんまですね。そして同じオセアニア通貨であるNZドルの通称は「キウイ」、これはフルーツではなく、NZの国鳥、つまり鳥の意味です。さて、そんな豪ドル、「オージー」は、代表的な資源国通貨として知られています。これは、豪州が資源輸出大国といった意味があります。その意味では、誤解されている可能性があるのは、同じオセアニア通貨のNZドルも、豪ドルと一緒に「資源国通貨」と考えることです。というのも、NZの輸出に占める資源の割合はとても少なく、NZからの輸出の主力は農産物です。だから本当は、豪ドルは資源国通貨ですが、同じオセアニア通貨とはいえ、NZドルも資源国通貨とするのは間違いなのです。
為替相場の変動を気にすると本質を見誤る
外貨投資の考え方(1)
一時は1ドル=140円超えも間近などと言われた円安相場ですが、7月末にかけて1ドル=133円を割る円高へと転じました。今年に入ってから急ピッチで円安が進んだため、この円高にどう対応すれば良いのか迷っている人もいるでしょう。資産運用における為替リスクをどう考えれば良いのでしょうか。
一回の取引で大損も…なぜ英ポンドはここまで値動きが激しいのか
象徴する2つの大相場
今回は英ポンドです。通貨には通称がある場合があります。英ポンドの場合は、スターリング・ポンドとの呼び方もあるため、最も一般的な通称は「スターリング」でしょう。この「スターリング」、英ポンドは、米ドルの前の基軸通貨でした。英国経済の衰退とともに、英ポンドから米ドルへの基軸通貨交代となったわけです。そんな英ポンドは、今では主要な通貨の中では、相対的にボラティリティの高い、つまり値動きが活発な通貨として知られているようです。よく英ポンドについて、激しい値動きから一回の取引でも大損することもあるため、「じゃじゃ馬通貨や殺人通貨とも呼ばれる」といった解説を見ることもあります。その一方で、活発な値動きはトレード・チャンスと見ることもできます。このため、米ドル、日本円、ユーロなどの主要通貨の小動きが長く続く局面などでは、英ポンドの高いボラティリティが期待され、取引が増える傾向もあります。