金融システム不安が急浮上、為替相場は米ドル高から米ドル安に転換していくのか?
1998年の事例に学ぶ金融不安時の為替相場の動き
シリコンバレー銀行(SVB)という名前は、私も今回初めて知ったのですが、そんな大手とはいえない銀行であるSVBの経営破綻をきっかけに、金融システム不安が急拡大するところとなりました。為替相場はこれまで、インフレ対策で米国の中央銀行であるFRB(米連邦準備制度理事会)はどこまで金利を上げるのか、そんな米金利上昇に連れて米ドル高がいつまで続くのかがメインテーマとなっていました。しかし、金融システム不安の急浮上により、FRBは今後、金融不安への対応として金利を下げる必要に迫られる可能性があり、それなら「米金利低下=米ドル安」リスクを考える必要があるのかもしれないといった具合に、米ドル高から米ドル安へ見通しが180度転換しかねなくなりました。金融不安がテーマになった時の為替相場の動きとは、どのように考えたらいいのかと困ったら、まずは「歴史に学ぶ」ことから始めるのが一つかもしれません。
日銀とは無関係?円高から円安への反転劇を演出した「主役」は誰なのか
「予想以上の米金利上昇」は間違い?
2023年の年明け早々に130円を大きく割れた米ドル安・円高が何だったのかと思うほど、2月以降は米ドル高・円安に大きく戻してきました。なぜ円高は行き詰まり、そして大きく円安に戻したのか−−この円安への反転劇の「主役」について、今回は述べてみたいと思います。
為替アナリストが「円安151円の更新は2030年以降になる」と考える理由とは
為替アナリストが「円安151円の更新は2030年以降になる」と考える理由とは
一時1米ドル=130円を割れる米ドル安・円高となりましたが、2月に入ると130円を大きく上回る米ドル高・円安に戻してきました。「円安復活で、ひょっとしたら2022年10月に記録した151円の更新に向かう可能性もあるのか!?」と、思う方はさすがにいないでしょうか。そうですね、さすがにそれは無理だと思います。あの151円の円安を更新するのは、早くても5~6年以上先、「早くて」そうなので、普通なら2030年以降の話になるのではないかと考えます。しかし、この円安も思っている以上に進むかもしれません。
FX予想「できること」「できないこと」の見極め、米ドル急騰の「雇用統計ショック」は想定内だったのか?
ポイントは為替相場の「行き過ぎ」
2022年10月にかけて展開した「止まらない円安」から、11月以降は「止まらない円高」に一変しました。ところが、2月3日(金)の米雇用統計発表をきっかけに、その流れは大きく米ドル高・円安へ戻す動きとなりました。この「雇用統計大相場」にどう対処すべきだったのか−−今回はFXトレードにおいて不可欠である相場の予想について、「できること」「できないこと」をどう見極めるべきか、説明したいと思います。
日銀による金融緩和転換で「円一段高になる」は本当なのか−−アナリストが指摘する「間違い」が起こりうる理由
円金利上昇は買い材料にならない?
基本的に為替相場は12月下旬、クリスマス前後は小動きになります。欧米の投資家がクリスマス休暇になり、薄商いとなるためです。ところが、2022年の12月下旬は違いました。クリスマス直前に、米ドル/円の急落が起こったのです。きっかけは、日銀の金融政策だったので、「日銀ショック」とも呼ばれたこの米ドル/円急落の背景と、今後の見通しについて考えて見たいと思います。
「歴史的円安」の局面、資産形成はこれからどのように行動すべき?
イベントレポート
2022年11月19〜20日、“みんなで学んで、一生役立つ。”をテーマにしたオンラインイベント「お金のEXPO2022 オンライン」が開催されました。19日に行われた『「歴史的円安」の局面、資産形成はこれからどのように行動すべき?』では、マネックス証券チーフ・FXコンサルタントの吉田恒氏による、円安局面での外貨投資についての収録講演が放映されました。本記事では、内容を一部抜粋・編集して紹介します。
歴史的円安は151円で終わったのか−−トレンド転換を見極めるコツとは?
過去のトレンドから客観的に判断する方法
10月に1990年以来約32年ぶりに1米ドル=151円まで米ドル高・円安となりましたが、11月以降は一時140円を大きく割り込むほど米ドル安・円高に戻しました。歴史的円安は、あの151円で終わったのでしょうか?為替相場の継続的な動きを「トレンド」と呼びますが、円安から円高へのトレンド転換も、後から振り返ったら「あの時が転換点だった」といった具合に、基本的には事後的にしか分かりません。ただそんな転換点の見極めは、なるべく早い方がよいでしょう。そこで、今回はトレンド転換の見極め方について考えて見たいと思います。
なぜ米ドルは急落したのか?超円安の「日銀犯人説」や「構造説」の誤解
過去のデータで読み解く為替相場にある真理
米ドルは、11月10日(木)に発表された米10月CPI(消費者物価指数)をきっかけに、一時140円を割れるまでの急落となりました。10月に、1990年以来、約32年ぶりの150円を越える米ドル高・円安となった時には、「新たな円安時代」においてまだまだ通過点のような論調も少なくありませんでしたが、ちょっとムードが変わったのではないでしょうか。しかも、それは日銀の金融緩和が不変の中で起こったということも、じつは重要だったのではないかと考えます。今回は、記録的な「超円安」が展開する中で広がった、日銀の金融緩和が主因だといった指摘、構造的な円安なのでまだまだ続くといった考え方などは、やはり「間違い」だったのではないかといった視点で再検証してみたいと思います。
円安が「日銀の金融緩和のせい」は本当なのか?アナリストが指摘する論理的な矛盾
金融緩和と為替介入の関係性
10月28日(金)、日銀の金融政策決定会合で金融緩和の継続が決定され、その後、黒田日銀総裁の記者会見が始まると、それまで146円半ばで推移していた米ドル/円は米ドル高・円安へ大きく動き出しました。これは、最近の黒田日銀総裁会見後の「お決まりパターン」のようになっていますが、実は「間違う」リスクがあるということを、今回は説明したいと思います。
歴史的な円安でも1ドル200円にはならない理由−−現実的に円安はどこまで進むのか?
極端に行き過ぎた相場で起こる反応とは
米ドル高・円安が止まりません。ついに1998年の米ドル高値も更新し、1990年以来、約32年ぶりの米ドル高・円安となってきました。これまで経験したことのない円安が起こっていると言えます。そんななか囁かれるのが「1米ドル=200円へ向かってまだまだ円安は続くのか」と言うことですが、それはさすがに違うと筆者は考えます。その理由について説明していきます。
為替介入の限界
外貨投資の考え方(5)
22日、政府・日銀が約24年3カ月ぶりに円買い・ドル売り介入を行いました。一時的に5円幅で円高が進みましたが、9月29日時点では1ドル=144円台までドル高・円安が進んでいます。はたして、この為替介入には効果が期待できるのでしょうか。
投資にはどんな種類があるのか?金融アナリストが特徴をまとめて解説
自分に合う投資法を選ぶには?
投資を始めようと思った時に、「何に投資したらいいの?」「何から始めればいいの?」という疑問を持つ方は多いと思います。今日はその商品の種類について解説したいと思います。もうご存知の方も、頭の整理にご活用いただけると幸いです。
24年ぶり為替介入は予想外ではなかった…予告していた財務官の発言とは
「今回の介入は無駄」は本当なのか?
2022年9月22日(木)に、何と1998年6月以来、24年ぶりに政府・日銀による米ドル売り・円買い介入が行われました。これは「予想外」と受け止めた方が多かったようです。その上で、効果のない無駄な行為といった否定的な見方も少なくなかったようです。ただ、どちらも「間違い」の可能性があるのではないかということを、今回は説明してみたいと思います。
24年ぶりの為替介入、前回との共通点と相違点は?円安は業績にどう影響するのか
6割の企業がマイナスと回答
2022年9月22日(木)、24年ぶりに円買い介入が行われました。同日開催された日銀の金融政策決定会合で大規模な金融緩和維持を決定した事や、前日開催された米国のFOMCで0.75%の利上げが発表されていた事により、日米金利差が更に拡大してしまう懸念から、一時145.90円まで円安が進みました。円買い介入は、黒田日銀総裁の会見が終了した後の17時過ぎにロンドン市場で行われ、意表をついた介入だった為、145円台から一気に一時140円台前半まで円高が進みました。
140円での米ドル売り後にさらなる円高−−早過ぎた利確の失敗を回避できた3つの理由
「感覚トレード」から抜け出すための知識
為替相場は相変わらず、激しい値動きが続いています。米ドル/円相場は、9月に入ると一気に140円の大台を超えると、そのまま145円に近付くまで一段高となりました。こうした中で、こんな話を聞きました。「140円を超えたところで米ドル買いのポジションを決裁したんです。利益は出たのですが、その後さらに米ドル高になったから、米ドルを売るのが早過ぎたと反省しています」要するに、もっと大きな利益を上げられたはずなのに、「儲けそこなった」ということで、損をしたわけではないので、「うらやましい不満」と言っても良いかもしれません。それにしても、このように大幅な米ドル高・円安が続くと、「さすがにもう終わりも近いだろう」と考えるのも人情でしょう。ただ、そんな「感覚トレード」は、実は回避できた可能性があることについて今回は説明したいと思います。
24年ぶり145円台のドル高円安、為替変動が好機となるFX取引のリスクと注意点
円安はこのまま進行していくのか?
記録的な円安が止まりません。9月7日(水)には1ドル=144円台を記録。1998年8月以来24年ぶりの円安水準を再び更新しました。そして9月22日(木)にFOMCの結果を受け、ドル円は145円という24年ぶりの水準をさらに超え146円に迫る勢いでしたが、夕方ごろに円買い介入が1998年6月17日(水)以来、約24年3カ月ぶりに行われて、一気に5円ほど下落する場面もありました。値動きが激しい=ボラティリティが高い状況が続いていますね。
米利上げがなぜ今行われているのか、運用キャリア30年超えのファンドマネジャーがその背景を解説
金利を見れば投資はうまくいく(3)
投資家にとって注視しなければいけない米国金利ですが、なぜ今、利上げが行われているのでしょうか?そこで、運用キャリアが30年を超えるファンドマネジャー・堀井正孝 氏の著書『改訂版 金利を見れば投資はうまくいく』(クロスメディア・パブリッシング)より、一部を抜粋・編集して米国の利上げについて解説します。
世界的な金融危機は、なぜ10年に1度起きるのか−−背景にある4つの相場局面とは?
金利を見れば投資はうまくいく(2)
およそ10年に1度、世界的な金融危機が起こりますが、相場には4つの局面があり、それが概ね10年のサイクルで繰り返されていることに関係しています。そこで、運用キャリアが30年を超えるファンドマネジャー・堀井正孝 氏の著書『改訂版 金利を見れば投資はうまくいく』(クロスメディア・パブリッシング)より、一部を抜粋・編集して信用サイクルについて解説します。