はじめに
優待の継続性と企業の姿勢
優待新設は投資家にとって大きなポジティブニュースとなる一方、短期的な高利回りに惹かれて投資したものの1〜2年で配当が減額・優待が廃止されるというリスクも少なくないです。したがって、配当と優待の「継続性」が見込める企業に投資することが、長期的な成功のカギを握るといえるでしょう。
2023年以降、東証による「資本コストと株価の意識改革」が進む中で、株主優待の廃止や縮小は一種のトレンドとなっているとはいえ、自社製品・サービスへの理解促進や、個人株主との中長期的な接点として機能している企業も多くみられます。
例えば、オリックス(8591)のように、廃止を表明してもそれまでの間しっかりと優待を継続し、同時に配当の強化や自社株買いでバランスを取るケースもあるわけです。投資家としては、優待の有無だけに左右されるのではなく、「優待の意味」や「企業の説明責任(IRの丁寧さ)」に注目することが求められるといえそうです。
高利回り銘柄をどう選ぶ? 押し目買いのヒント
高利回りの銘柄には、配当落ち後に株価が戻りにくい、増配余地が乏しい、といったマイナス面もあるといわれます。しかし、増収増益を続けるなど業績が好調で、それに伴って市場に評価されて株価が上昇すれば、そのようなマイナス面はあまり考えなくても良いのではと思います。また、そのような銘柄は「不確実性の時代」でたびたび起こると想定される急落の時は買い増し戦略も有効となるのではないでしょうか。
例えば、イントラスト(7191)は、家賃の総合保証サービスをはじめとする保証事業を展開する企業で、9年連続で増収増益を続けています。今週末(5月23日現在)時点での配当利回りは3.94%、毎年3月末時点で100株以上を1年以上継続保有で500円相当のQUOカードがもらえるので、優待利回りは500 ÷ (887×100株) × 100= 0.56%で、総合利回りは4%を超えます。
旭情報サービス(9799)は、主にネットワークサービス、システム開発、システム運用を展開し、15年連続で増収増益を達成しています。配当利回りが今週末(5月23日現在)で3.11%、優待は毎年3月末時点で1,000株以上保有という条件はありますが、3,000円相当のカタログギフト「e-book」をもらえて、(3,000 ÷ 1,028,000) × 100 = 0.29%となり、総合利回りは3.4%です。
あくまで例であり、投資助言(推奨)ではないですが、このように連続増配など好業績を続ける銘柄、業績が上向いてきている銘柄かつ利回りが高い銘柄のリストを作っておくと、急落時の押し目買いの参考にもなるのではないでしょうか。
この記事が少しでも皆様の投資の参考になると幸いです。
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