はじめに
著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる米バークシャー・ハザウェイが5月15日、2025年3月末時点の保有銘柄リストを公開しました。米国の大手機関投資家は、四半期ごとに米証券取引委員会(SEC)に「フォーム13F」という報告書を提出し、保有銘柄を開示する義務があります。今回は前回買い増しした企業を紹介します。
オクシデンタル・ペトロリアム(OXY)
オクシデンタル・ペトロリアム(OXY)は、石油や天然ガスの探鉱、開発、生産、販売を行う米国の大手エネルギー企業です。バークシャー・ハサウェイは、2019年第3四半期に初めて同社の株式を購入し、その後も継続的に買い増ししています。同社のポートフォリオの5.06%を占めており、保有比率で6位になっています。米屈指の鉱床保有者であることや株主への還元などが投資理由として挙げられています。
ベリサイン(VRSN)
ベリサイン(VRSN)は、Webサイトのセキュリティ確保に重要な役割を果たす企業です。".com" や ".net"などのドメイン名の登録・管理を行っています。同社株に対して初めて投資したのは2012年で、2013年と2014年に買い増ししています。4月24日に発表した決算で2025年第1四半期決算は、売上高40万ドル(前年同期比4.7%増)、純利益19万ドル(同2.7%増)、1株当たり利益は2.10ドルでした。
売上高と営業利益は増収増益の傾向にあり、過去10年間で収入を50%以上増加しています。多くの新興市場ではデジタル化が進行中であり、それに伴って新規ドメイン登録数も増加し、同社も成長が見込まれそうです。
シリウスXMホールディングス(SIRI)
シリウスXMホールディングス(SIRI)は、北米で衛星ラジオサービスとストリーミングサービスを提供するオーディオエンターテイメント企業です。具体的な日付は不明ですが、2009~2010年頃より投資を開始しています。衛星ラジオに加え、ポッドキャストやその他のデジタルサービスを拡充することで、契約者数を増加させ、収益の多様化を図っています。5月1日に公表した決算で、第1四半期の売上高は前年同期比4.3%減の20億6800万ドルとなり、営業利益は5.4%減の3億8700万ドルでした。株価は軟調に推移しています。
コンステレーション・ブランズ(STZ)
コンステレーション・ブランズ(STZ)は、「コロナ」「モデロ」「パシフィコ」などのメキシコ産ビールを米国市場で展開する企業です。特に「モデロ」は米国で最も売れているビールブランドです。ビール以外にも、ワインやスピリッツ事業も展開しています。なお、24年10~12月期に同社株を取得しました。
2025年2月、米国政府がメキシコから輸入される製品に25%の関税を課す政策を発表し、同社にとってネガティブなニュースとなり、株価は大幅下落となりました。しかし、バフェット氏は長期的目線での投資を行ったように感じます。なぜなら同社が保有する強力なブランド力や市場シェア、安定したキャッシュフローに魅力があるからです。