はじめに
物価高の影響もあり、近年対面で加入する保険からネット保険に切替えるひとが増加傾向にあります。ネット保険は手軽で便利で安い、と考えがちですが、本当に安いのか、対面営業の保険のメリットはどこにあるのか、詳しく解説します。
ネット保険が人気になってきている背景
ネット保険は、従来の代理店を通す方法ではなく、顧客と保険会社が直接契約を行うため、代理店にかかる手数料が削減され、保険料が比較的安く設定できます。そのため、価格に敏感な消費者にとって魅力的な商品になっています。初回契約や一定の条件を満たした場合、割引やキャッシュバックなどのキャンペーンもあり、保険を切替える時にはお得感が増すのも事実です。
さらにスマートフォンをはじめとするインターネット環境の普及により、24時間好きな時間に契約や更新が可能なことも、働く時間が多様化する現代にマッチしているようです。
また、保険の比較サイトなどを使い、顧客自ら料金や商品内容の比較ができることで、選択肢が広がることも要因のひとつでしょう。
どんな人でも安いのか?リスクが高い人は割高
コストの削減で保険料が安くなっているといっても、すべての人の保険料が安いわけではありません。
自動車保険の場合、事故率の高い若年層や70歳以上の高齢者は割高です。車の使用頻度が高いとリスクが高いとみなされるので通勤や業務使用は比較的保険料は高く設定されます。事故歴や違反歴がある場合も保険料に加味されます。
上記のケースでは対面営業の保険でも割高になりますが、ネット保険の場合、リスクが少ないとみなされる無事故・無違反の中年層で走行距離の少ない人は、割引が使えることも多く、リスクの高い人との保険料の差が大きくなる傾向があります。
ネット保険を検討される場合は比較サイトなどを使い、どの保険会社が自分に最適か比較検討することが必要でしょう。
対面営業保険のメリットとは
価格競争ではネット保険が間違いなく有利ですが、代理店主体の対面営業のメリットとはなんでしょうか。
第一は専門知識がなくても代理店がフォローしてくれるところです。ネット保険のシミュレーションを体験してみるとわかりますが、補償内容や手続きなどが不明な場合、チャットやコールセンターなどに質問ができ、不明点を解消する手段は準備されています。しかし、スムーズに進められないひとには、途中で迷子になってしまうこともあります。一貫して保険のプロがサポートすることは、対面営業の一番のメリットといえるでしょう。
例えば家族で複数台の自動車を持ち、自動車保険に加入する場合は、特約の重複などがないようにアドバイスしてくれます。また、自動車保険には割引等級制度があるので、入替や新規購入、廃車や解約時など、できる限り保険料を削減する設計をするのも代理店の仕事です。
長年同じ代理店や担当者と契約を続けることで、自動車保険のみではなく、火災保険、賠償責任保険、医療保険、死亡保険など保険全般のフォローしてくれる場合もあります。
保険の仕組みや補償内容をしっかり理解したいひと、事故発生時にサポートを重視したいひと、複数台の自動車をお持ちのひと、ネット保険の手続きが難しいと感じるひとは、保険料はやや高めではありますが、代理店を通じての対面営業の保険が適しているのではないでしょうか。
ただし、ネット保険のサービスが一律であるのに対して、代理店は店の品質、担当者の能力など受けられるサービスがまちまちなのはデメリットといえます。代理店を選ぶ際は、事前にHPなどを参照して選ぶことが重要です。