はじめに
保険商品は基本的に、「主契約」と「特約」の組み合わせで成り立っています。主契約は、保障の中心になる部分です。
特約は、主契約に付け加えるオプションのようなもので、主契約だけでは補えない保障を補完する役割を担っています。特約だけを契約することはできず、主契約を解約したり、契約が終了したりすると、特約も一緒に消滅します。
特約は自由に組み合わせることができますが、保険商品によっては、取り外しができないものや、契約の途中から追加できるものもあります。特約を追加することで、保障内容は充実しますが、その分、保険料もアップします。
だからこそ、本当に必要な特約だけを厳選して付けることが重要です。
特約をドンドン付けると保険料がアップしてしまう
国内大手の保険商品では、特約をたくさん付けるプランをすすめられることがあります。主契約の保険料よりも特約の保険料の方が高くなるケースも、決して珍しくありません。
「あれも心配、これも心配」と特約を次々に追加すると、保険料もどんどん高くなってしまいますし、中には不要な保障まで含まれていることもあります。
また、たくさん特約を付けていると、自分でもどんな保障があるのか把握できなくなり、請求漏れにつながることもあります。そのため、必要性の高い特約と必要性の低い特約をしっかりと見極めることが大切です。
必要性が低い特約
必要性の低い特約や、単独で加入した方がよい保障について見ていきましょう。
・介護特約
認知症など所定の要介護状態になったときに、一時金や年金形式で保険金を受け取れる特約です。若いうちは、介護が必要になる可能性が低いため、介護特約の必要性は高くないでしょう。多くは更新型で、その都度保険料がアップします。また、主契約を解約すると特約も消えてしまうため、使い勝手が良いとはいえません。
・災害割増特約
不慮の事故や災害で死亡したときに、保険金が割増しで受け取れます。しかし、特約がなくても通常の死亡保険金を受け取ることができます。不慮の事故や災害で亡くなるケースは、発生頻度が低いので、わざわざ保険料を支払ってまで特約を付ける必要性は高くないでしょう。
・健康祝い金特約
一定期間に給付金などを受け取らなかった場合、数万円の健康祝い金がもらえる特約です。入院などで給付金を受け取ると、この健康祝い金はもらえません。そのため、「入院したけど給付金を請求せずに、健康祝い金をもらった方が得だ」と考えてしまい、必要な保障を受け取る機会を逃すといった本末転倒な状態になる可能性があります。
・医療保険特約、がん保険特約
医療保険やがん保険を特約として付けると、主契約を解約したときにそれらも消えてしまいます。また、医療保険などは更新型が多いため、更新時に保険料が大幅にアップすることもあります。
特にがん保険特約は、単独契約の方が保障内容が充実しています。