はじめに
株は「値上がり益を得るもの」と考えがちですが、株主は企業のオーナーとしての権利と責任を持っています。年に一度の株主総会は企業と直接対話できる貴重な機会で、6月は株主総会のピークシーズンです。会社の意思決定に直接関わる第一歩である議決権行使や、株主総会への参加について、初心者にもわかりやすく解説します。
株主は「投資家」であり「経営の一員」
投資初心者の方にとって、「株を買う」と聞くと、多くは「値上がりしたら売って利益を得るもの」というイメージかもしれません。どうしても「値上がり益」や「配当金」「優待」といった受け取る側のメリットに目が行きがちです。
ですが本来、株主とは企業の一部を保有するオーナーという立場。つまり、企業に対して「意思を示す」権利と責任も持っているのです。
中でも、年に一度訪れる株主総会は、企業と対話し、自分の考えを形にできる最もリアルな機会です。そこで今回は議決権行使について、初心者にもわかりやすく解説していきます。
6月27日は“株主総会集中日”! 「株主の声」が集まる季節
6月は株主総会のピークシーズンとなります。多くの企業は3月末を決算期としており、会社法では、決算から3か月以内に「定時株主総会」を開催する必要があります。そのため、6月下旬に株主総会が集中するのです。
ちなみに、2025年は6月最終週である6月27日(金)に最多の株主総会が予定されており、全体の25%以上がこの日に行われます(東京証券取引所調べ)。
この時期は、株主としての「意思表示」のタイミングでもあり、企業と直接対話できるチャンスでもあります。投資初心者の方にも、ぜひこの投資のハイシーズンを活用していただきたいと思います。
株主総会は企業と対話できるリアルな場
株主になると、年に一度「株主総会への招集通知」が届きます。すでに株式投資をされている方の元には企業から封筒が届いているのでは。株主総会への招集通知は会社の1年間の業績や今後の方針を報告する場であり、株主が意思を示す重要な会議です。
議決権行使とは、株主が企業の重要な決定に対して、自らの意見を「賛成」「反対」などで表明する行為のことです。経営陣(取締役)の選任や解任、配当金の金額や方針、大規模な買収・合併(M&A)や会社の方向性に関わる重要議案、定款の変更(企業ルールの改定)など、会社の未来を左右する判断に1票を投じる、株主の大切な権利です。
つまり、あなたの1票が会社の未来を左右する重要な決定に直接影響を与えるのです。