はじめに

家計の変化に気づきにくい3つの理由

入学後の支出は、少しずつ増えていくため、「なぜかお金が残らない」と感じることもあります。こうした変化に気づきにくい背景には、次の3つが考えられます。

1. お金の流れが見えにくい
学校への支払いは、学校指定の銀行口座からの引き落としや現金払いが混在していることが多く、家計簿に記録しづらい傾向があります。支出先のメモを残す、家計簿アプリに登録するなど、「何にいくら使ったか」をざっくり振り返る習慣を持つと変化に気づきやすくなります。

2. 食費や被服費がじわじわと増える
物価の上昇に加え、こどもの食事量が増えることで、食費・外食費・おやつ代などがかさんできます。衣類もサイズアップとともに単価が上がりやすくなります。これらの費用が前年と比較してどのくらい増えているかを把握できると、予算感がつかみやすくなります。

3. 費用負担の分担が偏っている
「住居費や固定費をパートナーが、食費や日用品、こども関連費などの変動費を自分が担当」など、分担スタイルによっては、増えた費用が家計全体には反映されにくい場合があります。特にこどもの成長に応じて増えやすい「変動費」が一方に集中していると、気づかないうちに負担が偏るケースもあります。それぞれが担当している支出について、「固定費」か「変動費」なのかを整理しながら共有することで、分担の見直しや話し合いもしやすくなります。

家計のバランスをどう整える?

支出の変化に気づいた時こそ、家計を見直すチャンスです。小学校生活にかかる一時的な支出と継続的な支出、それぞれの特徴に合わせて対応を変えていきましょう。

一時的な支出への備え
まとまった出費が発生する場面では、年間の特別費として事前に積み立てておくと安心です。たとえば、「入学する年までに10万円を準備する」と決めて、そのために月5000円ずつ積み立てるなど、時期と金額を逆算して計画を立てておくと、慌てずに支払うことができ、気持ちにも余裕がうまれます。

継続的な支出への対応
毎月・毎年増える支出については、他の支出とのバランスを整えることがポイントです。たとえば、こども費や食費は毎年「月1万円ずつ増えていくもの」と見込むと、年間で12万円の増加を想定できます。

毎年の予算を見直す習慣があれば、サブスクや外食費などの他の支出との兼ね合いも調整しやすくなります。

予算が足りないと感じたときは

長期的な視点で、「今はこどもの成長に合わせて出費が増える時期」と捉え、一時的に貯蓄ペースを落とす選択肢もあります。

たとえば、毎月の積立額を見直しする、ボーナスで補填するなど、期間を決めて調整することも可能です。その際は、将来必要な教育費や老後資金まで削らないように、「一時的な調整」であることを意識し、全体の資金計画を見直しながらバランスをとりましょう。

また、家庭の状況に応じて働き方を工夫するなど、必要に応じて収入アップの視点を取り入れるのも一つの方法です。家計の調整は支出だけではなく、収入側にも目を向けてみると選択肢が広がります。

こどもの成長に合わせて、それぞれのご家庭にあったバランスを見つけていくことが、継続可能な家計管理につながります。

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