はじめに
年収の壁を超えて働くメリットにも目を向けよう
社会保険の加入に伴い、社会保険料を負担することになるので現在の手取りが減ります。そのため、現状でも106万円の壁・130万円の壁を超えないように働いている人がいます。ただ、最低賃金が上がっている今、年収の壁を超えないようにしていると、働ける時間が少なくなってしまいます。そこにインフレでモノの値段が上がり、生活が苦しくなってきていますので、働けるならば年収の壁を気にせず働くほうがベターです。
年収の壁を超えて働くと、次のようなメリットもあります。
●傷病手当金や出産手当金がもらえる
健康保険に加入すると、傷病手当金や出産手当金がもらえます。傷病手当金は、業務外の病気やケガで会社を休んだ場合に、通算1年6か月にわたって給料のおよそ3分の2にあたる金額がもらえる制度です。
また、出産手当金は、出産のために会社を休んだ場合、出産日前42日から出産日後56日までにわたって給料のおよそ3分の2がもらえる制度です。自分で社会保険に加入することで、これらのお金がもらえます。
●将来の年金額が増える
厚生年金に加入することで、老後には老齢厚生年金がもらえます。国民年金の満額は年83万1700円(2025年度)。厚生年金はこれに上乗せしてもらえるため、その分老後のお金が潤沢になります。たとえば、年収150万円で20年間働いた場合、増える厚生年金は月1万2700円。単純に年額に換算すると15万2400円、25年間もらい続けたら381万円になる計算ですから、大きいですよね。
●障害厚生年金・遺族厚生年金が受け取れる
厚生年金に加入している方が万が一所定の障害を負ったり、亡くなったりした場合には、障害厚生年金・遺族厚生年金も支払われます。厚生年金に加入していない場合よりも、より手厚い保障が受けられます。
社会保険料は確かに現在の手取りを減らす要因になってしまうのですが、社会保険に加入することで守られる部分も多くなります。
インフレが進むいま、働き控えは厳しい時代となりました。現在バイアス(将来の利益よりも現在の利益を優先してしまう心理傾向)に捉われず、将来とのバランスを踏まえた働き方が求められているのではないでしょうか。
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