はじめに
この夏、ボーナスが支給された人も多いでしょう。ここ数年、支給平均額は上昇傾向にあり、昨年よりも増えたという人もいるかもしれません。
東証プライム上場企業の全産業のデータを見ると、今夏のボーナスの平均額は86万2928円で、前年比3.8%の増加(※一般社団法人 労務行政研究所 2025年5月8日発表)。昨年(前年比同4.6%増)に続いて上昇しています。
では、この夏ボーナスは、みんなはどんなものに使う予定でしょうか。アンケート結果を見ていきましょう。さらに、「節約疲れ」を感じている人へのヒントもご紹介します。
今年の夏のボーナスの使い道は、預貯金がややダウン?
共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」を運営するロイヤリティ マーケティングの「Pontaリサーチ」(2025年5月24日~5月26日)にて実施した「第62回Ponta消費意識調査 2025年6月発表」では、ボーナスの使い道に変化が見られました。
1位…貯金・預金(32.4%)☆昨年からややDOWN
2位…旅行(宿泊を伴うもの)(6.4%)★昨年からややUP
3位…食品(ふだん食べるもの)(6.0%)★昨年からややUP
4位…外食(食堂・レストラン、和・洋・中ほか専門店)(3.7%)昨年からややDOWN
5位…財形貯蓄(3.4%)昨年からややDOWN
6位…衣服(2.4%)昨年からややDOWN
7位…投資信託(2.1%)昨年からややDOWN
8位…旅行(日帰り)(1.9%)昨年からややDOWN
9位…株式(1.8%)昨年からややDOWN
10位…食品(お取り寄せなど、特別なもの)(1.7%)★昨年からややUP
トップ10のうち、前年より増えたのは「旅行(宿泊を伴うもの)」、「食品(ふだん食べるもの)」、「食品(お取り寄せなど、特別なもの)」の3つで、それ以外はダウンしています。
特に、長年1位をキープしている「貯金・預金」がダウン傾向にあることは、現在の社会状況を大きく反映していると感じます。たとえボーナスの金額が上っても、物価上昇の影響で、預貯金にまわす余裕がなくなってきている人も多いと考えられます。
物価高により「節約にまわす余裕がない」人も?
同調査によると、消費者の節約志向として「節約したい」と答えた人の割合は60.5%で、同調査の2022年以降を見ると、最も低い結果でした。
さらに、「節約したい金額が0円」と答えた理由として、「節約にまわす余裕がないため」という人が、半年前(2024年10月調査)の20.6%から、今回は26.1%に大きくアップ。物価高が家計にじわじわと影響を及ぼし、「これ以上の節約は限界…」という悲痛の声も聞こえてきそうです。
たとえボーナスがたくさん出ても、夏の旅行などに少し使ったあとは、日々の生活費でなくなってしまい、「預貯金にほとんどまわせなかった」というケースも多いのではないでしょうか。