はじめに
“生活者の仮説”で先回りできるのが、個人投資家の強み
投資というと、つい財務諸表や専門的な分析を思い浮かべがちですが、個人投資家にとって一番の強みは、むしろ「生活者としての感性」ではないでしょうか。
私たちが企業の製品やサービスに最初に触れるのは、数字ではなく体験です。
企業の分析では売上や利益、ROEなどの「定量分析」が中心になることが多いのですが、私たち個人投資家が強みとするのは、むしろ「定性情報」、つまり数字に表れない兆しです。数字をベースに判断する機関投資家とは違い、私たちは日常のなかから肌で感じるという感覚を使って先回りすることができます。
日々の暮らしの中にヒントがあるのなら、それを活かさない手はありませんよね。
例えば、子どもが買いたがるおもちゃ、SNSで話題になっているカフェ、行列のできているお店、よく見かけるようになったCM、新しくリニューアルされた店舗、街中での行列、話題になっているアプリ、急に広告が増えた商品、ワイドショーの話題――ちょっとした変化に気づけることが、後々の投資判断につながっていくのです。そしてそれが、やがて企業の売上や業績として表れ、上方修正という形で株価にも反映され、投資判断につながっていきます。
もちろん、「なんとなく良さそう」だけで買ってしまうのは危険です。大切なのは、感じたことを「仮説」として持ち、調べ、検証していくことです。
街・家庭・会話が投資フィールドに変わる時代へ
AI、自動運転、再生エネルギー、宇宙産業、インバウンドなど、注目される分野は尽きませんが、日常のなかで実感できるムーブメントや話題は、もっと小さな気づきから始まることが多いものです。
大手の機関投資家がレポートや統計を頼りにする一方で、私たち個人投資家は「街のにぎわい」や「友達や子供の会話」からヒントを得ることができます。これこそが、個人ならではの大きな強みです。投資というと、少し堅苦しく感じるかもしれませんが、実はとても身近なもの。
この夏は、映画館の行列やショッピングモールの人気店、SNSで話題の商品を見かけたら、それがどんな企業のものなのか、ちょっと調べてみてはいかがでしょうか?
投資管理もマネーフォワード MEで完結!複数の証券口座から配当・ポートフォリオを瞬時に見える化[by MoneyForward HOME]