はじめに

つみえーるは、目標額が高いほうが適している

次に、「保険の必要性」について考えてみたいと思います。例えば今回の事例だと、月々の積立額は11,000円で18年後に400万円を達成する見込みです。もしこの11,000円の原資を、児童手当(2歳まで月15,000円、3歳から18歳まで月10,000円)としている場合は、仮に父親が病気などで働けなくなって収入が途絶えても、児童手当は継続して受け取れるわけですからなにも保険に頼らずとも積立を継続できそうです。

400万円は、私立文系の大学資金として必要な金額の目安とされる金額です。理系の大学なら600万円、医学部となれば2,000万円以上は必要だと言われています。そのため、保険をかけるのであれば、目標とする教育資金の額もある程度高額に設定した場合の方が、つみえーるには適しているのではないかとも考えます。

以前がんに罹患された当事者の方から、病状が落ち着いて働いているけれど、前のように残業もできないし今後収入を増やせる可能性も少ないので生活を見直したいというご相談を受けたことがあります。その際に、病気のせいで教育資金準備が間に合わず子どもに進路変更をさせなければならなくなることがとてもつらいとおっしゃっていた事が忘れられません。やはり、万が一のことがあったとしてもお子さんの進路をかなえたいという強い思いを考えると、教育資金作りと保険はマッチしているのではないかと考えます。

積立投資への保険だけでは不十分

しかし、ここでもうひとつの視点も必要になります。つまり万が一の時の保険は、投資の積立だけで良いのかという点です。部分解として、何があっても積み立てる金額が保障される今回のつみえーるは、非常に画期的ですし、恐らくニーズも高いでしょう。

しかし、病気になった、障害を負った、家族が亡くなった際に、生活自体が立ちゆかなくなっては積立投資にいくら保険がかけられていたとしても間に合わないでしょう。つみえーるの保険金(給付金)は一括で支払われますが、そのお金を積立投資にまわさず生活資金にあててしまっては、意味がありません。万が一のリスクは、積立投資だけに注目するのではなく、生活全体に目配せをしたうえで、充分な保障を確保すべきでしょう。

病気で働けなくなったら、健康保険から傷病手当金が支給されます。重い障害を負ったら障害年金が、家族が亡くなったら遺族年金が国から支給されます。そのうえで、不足する部分を民間の生命保険、必要に応じて積立投資を継続するつみえーるなど検討されると良いでしょう。

積み立てが継続できなくなったら…という不安に向き合う「積み立て継続保険」の誕生は、投資への不安を軽減することに繋がるでしょう。これによって、あらためて多くの方が投資を考える良いきっかけになるのではないかと期待しております。

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