はじめに

2025年ビルダーバーグ会議の注目議題

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ここからは直近の第71回ビルダーバーグ会議の議題に注目します。

今回は会議内容の傾向が大きく変化しており、中長期の投資テーマを見極めるうえで重要なヒントが得られるタイミングと言えるでしょう。投資家として、この変化をどのように戦略に取り入れられるか、一緒に考えていきましょう。

2025年6月12日から15日まで、スウェーデン・ストックホルムで開催された第71回会議では、以下のようなテーマが議題として公開されました。

今年の議論のトピックは次のとおりです。

2025年会議の議題一覧(公式発表)

・大西洋を越えた関係
・ウクライナ
・米国経済
・ヨーロッパ
・中東
・権威主義的な枠軸
・防衛/イノベーションとレジリエンス
・AI、抑止力、国家安全保障
・増殖
・エネルギーと重要鉱物の地政学
・過疎化と移住

今年は例年と比較して「安全保障」や「資源」「人口問題」など構造的な課題が前面に出てきた点が特徴的です。中でも「防衛/イノベーションとレジリエンス」「AIと国家安全保障」など、従来は個別に扱われてきたテーマが複合的に並んでいることは、特に注目に値します。

安全保障・AIが示す新たな潮流

地政学的な分断の懸念が高まる中、世界全体で防衛問題が課題となる可能性が高いでしょう。実際に各国で防衛予算が拡大しており、その傾向は「軍事力」だけでなく、サイバー・宇宙・情報といった非軍事領域にも及んでいます。

NATOの年次報告書(2024)によれば、加盟国は領土防衛を超え、これらの新領域における抑止力構築へと重点を移しつつあります。戦争=軍事力という図式が、技術力とデータを駆使した非対称な構図へと移行しているのです。

こうした動きにより、AI技術の軍事転用、ドローン・衛星・情報解析の活用、そして防衛企業の高度化投資が一層進むことが予測されます。投資家として、目を向けておくべきでしょう。

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