はじめに

防衛・サイバー分野の注目銘柄とETF

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防衛・セキュリティ分野では、米国のロッキード・マーチンやレイセオン・テクノロジーズといった大手防衛企業が注目されます。あわせて、パロアルトネットワークスやクラウドストライク、ゼットスケーラーといったサイバーセキュリティ企業にも成長期待が集まります。少額から可能な分散投資を考える場合、CIBR(Cybersecurity ETF)やBUG(Global X サイバーセキュリティETF)といった関連ETFも選択肢です。

日本国内でも、三菱重工(7011)などの王道とも言える防衛関連銘柄のほか、サイバーセキュリティ関連銘柄といえる三菱電機(6503)やトレンドマイクロ(4704)、サイバーセキュリティクラウド(4493)などもテーマ銘柄となるでしょう。中長期ポートフォリオの一角に防衛関連を入れておく戦略は、検討に値するのではないでしょうか。

鉱物資源の地政学と投資の構図

注目テーマのひとつが、エネルギーと重要鉱物をめぐる地政学的課題です。IEA(国際エネルギー機関)の報告によると、今後10年でリチウムやレアアースの需要は最大7倍になるとされています。その供給網は中国や南米など特定地域に偏っており、経済制裁・輸出管理・鉱山争奪といった新たな地政学的なリスクにもなっています。

こうしたリスクに対応する手段として、鉱物資源(例:銅、金、ニッケルなど)の価格変動に備える先物取引やオプション取引が活用されています。例えば、価格下落時にはプット・オプションや先渡売りでリスクを回避しつつ、上昇局面ではオプションなどで利益を狙える仕組み(フロア取引、スワップ取引など)を利用することが多いでしょう。

加えて、鉱山会社や資源開発企業の株式、あるいはETFや投資信託を通じた分散投資も有効です。日本企業ではINPEXや住友金属鉱山、ファンドではブラックロック天然資源株ファンドなどが挙げられます。

市場全体の価格変動を利益機会、あるいはリスクヘッジに活用できそうです。

人口動態と移住が企業戦略を変える

国連の「World Population Prospects 2023」によれば、先進国では出生率低下と高齢化により、「働く人の不足」が今後数十年にわたる国家的課題になると予想されています。日本でも人手不足は以前から懸念されており、人材投資に取り組む企業が増加しています。

会議で議題に取り上げられた「過疎化と移住」は、この問題に対する警鐘であり、労働力確保と都市の再構築という2つの視点が必要だと考えます。

日本では地方への通信インフラ拡充を担うKDDIなどの通信大手、地域密着型の不動産・物流企業、さらに地方再開発をテーマとしたREIT(不動産投資信託)が有望です。骨太の方針でも取り上げられているテーマです。個別ではチェンジHD(3962)や、リブワーク(1431)など関連銘柄も多数あります。

移住・移民関連では、外国人就業支援や語学教育に強みを持つZenken(7371)のような企業や、EdTech(教育×テクノロジー)関連も含めて注目されます。

会議議題から投資テーマを先読み

ビルダーバーグ会議は、参加者の発言や会議録が公開されないため、投資に直結する情報は表面上は少ないように見えます。

しかし、「どのような議題が上がっているか」を知ることで、国家や企業が今後取り組む課題の方向性を把握し、数年先の投資先を“事前に”検討する視座が得られるはずです。中長期投資の投資テーマを探される方には見逃せない情報だと思います。皆様の投資の参考にしていただけますと幸いです。

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