はじめに
2025年7月18日にアクティブ運用型ETF(以下、アクティブETF)が東京証券取引所に新規上場しました。アクティブ運用型ETFは、値動きや想定されるリターンが、指標連動型ETFとは異なる特性を有しています。連動対象となる指標が存在しないことで、管理会社において相場の状況等に応じた柔軟な運用が可能となる一方で、リターンを狙った積極運用の結果、相場全体の変動からでは説明できない値動きをしたり、投資成果がベンチマークを下回ったりする可能性もあります。
今回上場したのは合計3本のアクティブETFで、その内容や特徴について触れてみます。
業界改革厳選ETFテレビ業界(394A)
運用会社:シンプレクス・アセット・マネジメント
業界改革厳選ETFテレビ業界の組成の目的は、テレビ局およびメディア業界の公共性を保ちながら、意識改革を促し、新たな成長に貢献することです。2025年始めに話題を集めたフジ・メディア・ホールディングス(4676)は、元タレントの中居正広氏の女性トラブルを巡る対応に批判が集まり、広告主がコマーシャル放映を見合わせ、収益見通しを大幅に下方修正しました。
しかし、アクティビストとして知られる村上世彰氏が関わる投資会社が同社株を買い増しし、株価が大幅上昇する場面がありました。アクティビストが目をつけたのが、不動産事業でした。不動産はフジ・メディア・ホールディングスの営業利益の半分以上を占める稼ぎ頭だったためです。同ETFは、このような転換期に立たされた企業に寄り添って、上場企業としてやるべきことをやり、目指すべき姿とその実現に向けて努力する企業を応援すると示しています。
なお、組み入れ銘柄は日本テレビホールディングス(9404)、TBSホールディングス(9401)、フジ・メディア・ホールディングス(4676)などのTV局や電通グループ(4324)、博報堂DYホールディングス(2433)などの広告代理店、東宝(9602)、東映(9605)などの制作・配給会社です。