はじめに

生命保険に加入していれば、すべてが保障されるわけではありません。医療保険は入院や手術などに対する保障、がん保険はがんに特化した保障、死亡保険は高度障害や亡くなった場合のみ、介護保険は要介護状態になった時のみの保障です。

このように各保険は、契約時に定めた内容だけを保障する仕組みです。そのため、死亡時の保障、病気への保障、介護への保障が必要であれば、「死亡保険」「医療保険」「介護保険」の3つすべてを組み合わせて備える必要があります。

言い換えれば、かしこい保険の選び方とは、保険の「かしこい組み合わせ」を選ぶことです。では、その具体的な組み合わせについて解説していきましょう。


世帯あたり平均約4つの保険商品を契約している!

公益財団法人生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査(2024年)」によると、生命保険に加入している世帯の平均加入件数は3.8件です。世帯主は平均1.7件、配偶者は1.6件の保険に加入しています。

「1つしか入っていない」と思っていても、実際には終身保険に定期保険や医療保険、がん保険などを特約として付けているケースも少なくありません。つまり、複数の保障を組み合わせているのです。

また、死亡保険はA社、医療保険はB社、がん保険はC社と、保険会社を分けて契約している方もいます。このように、多くのご家庭では複数の保険を組み合わせて契約しているのが実情です。では、どのような保険の組み合わせが効率的なのでしょうか?

保険の組み合わせはライフステージによって変化する

かしこい保険の組み合わせは、ライフステージに応じて見直すことがポイントです。保険の本来の役割は、大きなリスクに備えることです。人生で直面するリスクは変化するため、保障内容も定期的に見直す必要があります。

以下に、ライフステージやライフイベントごとのリスクと保険の考え方をまとめました。
・独身期
扶養家族がいない場合、大きなリスクは少ないため、基本的に保険は不要です。
・結婚期
共働きであれば経済的リスクは少ないため、死亡保障は少なくても問題ありません。
・出産・子育て期
子どもができると、もしもの場合に遺族の経済的リスクが大きくなるため、定期保険や収入保障保険が必要です。一方で、医療費の自己負担は少なくて済む場合も多く 、医療保険は不要なケースもあります。がんの発症率は低いものの、発症すると収入減のリスクがあるため、 がん保険は検討対象です。さらに、住宅購入時には団体信用生命保険が付帯するため、死亡保障が重複しがちです。必要に応じて減額を検討するとよいでしょう。
・子ども独立期
扶養家族がいなくなるため、大きな死亡保障は不要となり、 保険を見直すタイミングです。
・高齢期
年金生活に入ると収入減のリスクは小さくなるため、就業不能保険などは不要です。一方で介護リスクは高まるため、介護保険の検討が必要です。

このように、定期的な見直しにより、ムダのない最適な保険の組み合わせが可能になります。

保険料を払いすぎていませんか? お金のプロがあなたにあった保険を診断[by MoneyForward HOME]