はじめに

増える競合、見えにくくなる差別化

もうひとつ、私が慎重なスタンスを取る理由に競合の増加があります。

最近、同様のリカバリーウェアの広告を電車やタクシー内でたくさん見かけるようになりました。テンシャルが属する「リカバリーウェア市場」は今まさに成長期であり、参入企業が急増しています。

市場自体は追い風ですが、他社製品と比べると高価格帯にもかかわらず、見た目や機能の差が分かりにくいという課題も浮き彫りに。テンシャルの競争優位性が明確でなくなれば、価格競争や広告合戦に巻き込まれるリスクも考えられます。

実際、テンシャルは強力なマーケティングで知名度を上げてきた一方で、商品ごとの機能的な独自性は、まだ一般消費者に浸透していない面もあります。今後、他社との明確な違いを打ち出せなければ、シェアの奪い合いが本格化するかもしれません。

「母の日・父の日特需」の反動に注意

今回の上方修正を支えた要因は、母の日・父の日に合わせたギフト需要の爆発的な伸びでした。

一方で、これが季節性の強い一過性の需要であることも事実です。ギフト需要は、シーズンを外れると急激に落ち込む傾向があります。つまり、その反動が第3四半期以降に出てくるリスクがあるということです。通期業績としては成長していても、四半期単位で「前期比減収」や「失速」と見なされると、株価にはマイナスに作用する可能性もあります。

もちろん、テンシャルの成長ストーリーや収益性には疑いの余地はありません。しかし、それと株価のタイミングはまた別問題です。個人的には、信用買い残がしっかり整理されたあとに、再び「自然な上昇トレンド」に入るのを確認してから、買い直したいと考えています。

短期的な株価は、需給で決まります。ファンダメンタルズだけで動くものではないからこそ、今はあえて静観するのが得策だと判断しました。とはいえ、上場前から熱烈なBAKUNE愛好者なので、今後どこかで株主優待制度の新設もあり得ると期待しています。

その発表がある前には、ふたたび株主になりたく、良いタイミングを虎視眈々と狙っています。

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