はじめに
成長戦略「SMILE145」とジャパン・ラグジュアリー
統合報告書2024によると、セイコーは「SMILE145」という中期経営計画を推進中。その柱は「MVP(感動・高付加価値・高収益)戦略」であり、とりわけ時計事業では「グローバルブランド戦略」を加速しています。
「グランドセイコー」を筆頭に、「アストロン」「プロスペックス」「プレザージュ」などのブランドを世界展開。ニューヨークや表参道に新たな旗艦店をオープンし、顧客体験の強化に取り組んでいます。特にグランドセイコーは、欧州最大の時計見本市「Watches and Wonders Geneva」に欧州ブランド以外で唯一出展し、日本発のラグジュアリーブランドとして国際的な評価を高めています。
さらに、和光事業では「ジャパン・ラグジュアリー」を掲げ、日本独自の文化や美意識を世界に発信。「THE GIFT OF TIME」プロジェクトを通じて、ラグジュアリー市場での独自ポジション確立を目指しています。
決算発表後、株価はほとんど押し目をつけておらず、現在は6,300円台で推移しています。発表前の株価からすでに45%上昇しており、短期的には利益確定売りが出てもおかしくありません。ただ、PERは16倍台と決して高くなく、中長期で見ればまだまだ成長余力はありそうです。
為替や米国関税といった不確定要素はあるものの、セイコーは短期的な景気循環に左右されにくい「じっくり時間をかけて育てる銘柄」といえそうです。時計好きに限らず、長期的なブランド価値の成長を重視する投資家には注目に値すると思います。
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