はじめに
ふるさと納税には、特に締め切りや期限がありません。毎年1月1日から12月31日の1年間で行ったふるさと納税について、翌年に手続きをすることで所得税の還付や住民税の控除が受けられます。
ただ、実際のところは年末に行われるケースが多いようです。年の瀬になるとふるさと納税のCMをよく見かけるのは、年内のうちに手続きをすれば間に合うからです。
しかし2025年は年末といわず、9月末までにふるさと納税をやったほうがいいでしょう。その理由を紹介します。
ふるさと納税ポータルサイトによるポイントの付与が禁止される
ふるさと納税は、自分の好きな自治体に寄付することで、実質2000円の自己負担で各地の特産品など(返礼品)がもらえる制度です。
総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果」によると、2024年度(令和6年度)のふるさと納税の受け入れ額は1兆2727億円で過去最大に。受け入れ件数は5878.7万件で前年度(5894.6万件)よりわずかに減少していますが、それでも多くの人に使われている制度だということがわかります。
ふるさと納税ポータルサイトを利用すると、全国の自治体の返礼品が品目別・寄付額別に検索できます。そして、気に入った返礼品があればネットショッピング感覚で注文できます。さらに、「寄附金控除に関する証明書」など、面倒な手続きを簡略化する書類のダウンロードができるサイトもあります。
ふるさと納税ポータルサイトでふるさと納税をする大きな魅力といえば、ポイント還元です。どのふるさと納税ポータルサイトを利用するかによってもらえるポイントや還元率は異なりますが、ふるさと納税することで返礼品がもらえる上に、ポイントまでもらえたらうれしいですよね。
しかし2024年7月、総務省は2025年10月からふるさと納税ポータルサイトがふるさと納税の寄付に対してポイントを付与することを禁止する方針を発表しました。その理由は、大きく次の3つにまとめられます。
①自治体の経費削減のため
自治体はふるさと納税ポータルサイトを利用するために寄付額の10%程度の手数料を支払っています。総務省は、この手数料の一部がポイントの元手になっているのではないか?と問題視しています。そこで、ふるさと納税ポータルサイトでのポイント付与を禁止することで、自治体の手数料の負担を減らす(=自治体に入る金額を増やす)ことにつなげようと考えています。
②ポイント競争の過熱防止のため
ふるさと納税ポータルサイト各社は、自社で寄付をしてもらおうとさまざまなキャンペーンを行っており、競争が激化しています。ポイント還元率の高さで競争されたら、消費者としては当然ポイント還元率の高いほうを利用しようと思うでしょう。しかし、ポイント付与競争が加熱すると、自治体が支払う手数料が高くなり、自治体に残るお金が少なくなってしまいかねません。ポイント目的の寄付を減らすために今回規制が入ったというわけです。
③ふるさと納税の趣旨を見直すため
ふるさと納税の本来の趣旨は、自分のふるさとや応援したい自治体を支援するところにあります。しかし、ポイント還元が多くなると、ポイント目的の寄付が増えてしまい、本来の趣旨とは異なるふるさと納税の活用を促進している可能性があるので、それを減らそうと考えています。
ふるさと納税の寄付を決済するときに、クレジットカードなど、ポイント還元が得られる手段を利用した場合、2025年10月以降もクレジットカードのポイントはもらえます。たとえば、還元率1%のクレジットカードでふるさと納税をすれば、この1%分のポイントはもらえる、ということです。しかし、ふるさと納税ポータルサイトからのポイント還元は、禁止されてしまいます。
ふるさと納税のポイント還元禁止が報じられたあと、反対を表明したのが「楽天ふるさと納税」を運営する楽天グループでした。総務省の発表直後からポイント禁止に関する署名活動を行い、2025年3月には集まった約295万件の署名を社長の三木谷氏が石破首相に提出しました。しかし、その後も総務省の方針に変更がなかったことから、2025年7月に東京地裁に提訴を行なっています。
本稿執筆時点(2025年8月25日)ではまだその結論は出ていません。この訴えが認められれば再びポイント還元が実施されるようになるかもしれません。場合によっては最高裁までもつれる可能性もあるでしょう。ただし現状は、ポイント還元禁止が予定どおり2025年10月から実施されます。