はじめに
筆者は貯まらない人だけでなく、貯まる人への取材も多く、貯蓄上手な人の共通点を研究しています。
貯蓄上手でも、実は大きく2つに分かれます。お金をぎりぎりまで節約する“節約家”でお金は増えるけれど、あまり楽しくなさそうなタイプ。そして、お金を上手に貯めながら、人生を豊かにしているタイプです。
せっかくなら、後者のように、人生を豊かにするタイプを目指したいですよね。
そこで今回、人生を豊かにする貯蓄上手な人がよくいう言葉を7つご紹介します。言葉には、その人の価値観や習慣がにじみ出るので、参考になるヒントがきっと見つかるはずです。
1. 「“今”も楽しみながら、“未来”も安心したい」
人生を豊かにできる貯蓄上手な人は、「今」と「未来」の両方に目を向けています。
お金を使わないことに注力するあまり、「今」の楽しさを失ってしまう節約家もいます。その場合、もし一時的にたくさんのお金が貯まっても、ストレスがどんどん溜まっていって、貯蓄が嫌になってしまいます。
人生を豊かにするコツは、「今」と「未来」の両方を考えてお金を配分すること。時には「今」を大切にするために、ある程度のお金を好きに使うことも、心の栄養として大切なことなのです。
2. 「時間とお金、どちらが大事かを考えています」
お金を浮かせることを優先するあまり、自分の貴重な時間を犠牲にしてしまう節約家もいらっしゃいます。
例えば、電車移動をする際に、忙しいのに少しでも安いルートで目的地に行こうと遠回りをしたり、ネットショッピングで20~30円でも安いお店を時間をかけて探したり。そうして数十円、数百円安くなっても、30分〜1時間と時間を使って心身が疲れてしまってはもったいないことです。
特に忙しい今の時代は、「時間」も貴重な資産です。「時間」と「お金」のバランスを取ることで、人生を豊かにすることにつながるでしょう。
3. 「何年も前から、積み立てをしています」
お金を貯めるというと、真っ先に節約に意識が向かう人も多いのですが、そもそもの原点として「貯めること」を考えることが重要です。
人生まで豊かにする人は、何もよりもまず、積み立てを設定して「貯める仕組み」をつくっている人が多いです。毎月自動的に貯まれば、日々の節約に神経質にならずに済むのです。
預貯金の積み立てだけでなく、積み立て投資をしている人も増えています。投資信託なら、金融機関によっては月100円や1000円などの少額でも積み立てができますので、「投資にまわすお金がない」という人も気軽にはじめられるでしょう。
もちろん、投資にはリスクがあるので、余裕資金で行うことが大前提ですし、積み立てを始めたら長い目で見て続けることが重要です。無理のない金額で、預貯金や投資信託の“積み立て”を行うことで、「貯まる体質」をつくることがポイントです。
4. 「生活防衛資金」を残しています
「生活防衛資金」という言葉を聞いたことはありますか?
病気やケガ、転職、失職などによって収入が大きく減ったり、なくなったりしたときに、手元のお金で生活するための“自分を守るお金”のことです。
会社員なら、手取り月収の3カ月、できれば半年くらい、フリーランスなら1年ほどあると安心です。
貯蓄上手な人からは、「生活防衛資金」についての話がよく出てきます。つまり、先のリスクを見据えて、備える力があるということ。それが、心の余裕にもつながって、人生を豊かにできるのです。