はじめに

日本の平均寿命は、男性81歳、女性87歳。人生100年時代といわれる今、長い人生を豊かにしてくれる要素の一つが趣味を持つことです。ですが、その「趣味にかかるお金」をめぐって、夫婦の間で不満が生まれることも少なくありません。

例えば、夫はゴルフやフィギュア集め、登山グッズなどにお金をかけ、妻はネイルやランチ、推し活などにお金をかける。ファイナンシャルプランナーとしてご相談を受ける中でも、「お互いの趣味にかけるお金が不公平に感じられてしまう」という声はとても多いです。


趣味にかかるお金が不公平に感じられる理由

金額の比較に加え、趣味の種類によっては、出費が目立つものと目立たないものがあります。ゴルフ道具やアウトドア用品のように、大きな買い物は目立ちやすく、「また買ったの?」と気になりがちです。一方で、ネイルやランチのように、単価が低く、モノとして残らないものは、出費が積み重なっても目立たず、把握しにくいという特徴があります。

また、不公平感を感じる背景には、「部屋が趣味のもので占領されるのが嫌」「家族で過ごす時間が減ってさみしい」「ワンオペが大変」といった感情が隠れているケースも少なくありません。

つまり、お金だけの問題に見えて、実は時間や負担の問題が背景にある場合も多いのです。

不公平感を減らす3つの視点

趣味にかけるお金の不公平感を減らすには、時間、スペース、お金の3つを総合的に考えることが有効です。

①時間
趣味にかける時間も、家族にとっては大切なリソースです。例えば、ゴルフや登山、釣りなどは丸一日かかることも多く、家事や育児の負担につながりやすいです。ネイルやランチは数時間で済むものの、お昼ごはんの準備など、タイミングによっては大変さを感じることも。お互いの負担の少ない日時を選ぶように配慮するなど、事前に希望をすり合わせることも大切です。

②スペース
自宅のスペースも、見えないコストの一つです。「夫のゴルフクラブやコレクションが場所をとっている」と不満に思うことがあっても、気づけばクローゼットには妻の洋服やバック、靴が多くあり、また洗面台の鏡裏のスペースも化粧品置き場になっている、というケースもあります。

家全体を見渡してみると、意外なところで収納場所を使っていることに気付くかもしれません。お金と同じように、全体感を意識しながら、お互いの許容できるスペースをあらかじめ決めておくと、不公平感が残りにくくなります。

③お金
まずは、お互いの趣味にどのくらいお金を使っているかを把握することが第一歩です。家計を一つにして管理しているご家庭では、「どこまでが生活費で、どこからが趣味にかけるお金か」があいまいになりやすく、お財布を別にしている場合は、お互いの支出が見えにくく大きくなりがちです。数字で見える化をするだけで、不公平感が和らぐケースも少なくありません。

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