はじめに

ペット保険以外の代替策

保険に入らず、「ペット医療費用貯金」として積み立てる方法もあります。毎月1万円積み立てなら、5年で60万円、10年で120万円となり、もし大病をしなければ、そのままお金が手元に残り、掛け捨ての損を感じずに済みます。ただし、数十万円規模の治療が突然必要になった場合には積み立てが間に合わないリスクがあります。

以上を踏まえて、ペット保険加入に向いている人と、そうでない人を整理してみます。

【保険加入に向いている人】
・高額治療に備えたい
・お金を理由に治療を諦めたくない
・万一の賠償リスクに備えたい
・急な手術で大きな現金の用意が難しい

【保険加入に向いていない人】
・高額医療費をすべて自己負担できる貯蓄がある
・毎年数万円の固定費を支払うことに抵抗がある
・保険の制限に縛られず自由に治療を選びたい

保険か貯蓄か、あるいはその組み合わせか。現在の家計状況に合わせて最適解を探すことが大切です。

忘れてはいけない「看取り」と費用の準備

ペットとの暮らしには、必ず「最期」があります。看取りの段階では、延命治療を選ぶか、緩和ケアで穏やかな時間を大切にするか、場合によっては安楽死という判断もあります。このとき飼い主には大きな決断が迫られます。

延命治療を選べば入院や点滴・手術、また緩和ケアでも通院や薬代が必要です。さらに、お別れには葬儀・火葬費用も準備が必要です。自治体での火葬や、葬儀社による個別火葬でセレモニーを行えば3〜5万円、立派な葬儀を依頼すれば10万円を超えることもあります。

筆者の場合は、愛犬のチワワが6歳で心筋梗塞。入院で一命をとりとめ、リハビリを含め約40万円。10歳頃から心臓病のための投薬等で月3万円を3年間行い、手術はシニア期ということもあり、家族で相談し行いませんでした。

愛犬を失った際は、お骨上げなど暖かで丁寧に見送りをしてくださる小さな葬儀屋さんにお願いをしました。保険は入っていませんでしたが、毎月の愛犬の医療費用貯金で、心配なく治療・看取りができました。

安心は「準備」から生まれます。ペット保険は必ずしも得をする商品ではありません。しかし、飼い主が後悔しないための安心料としては大いに価値があります。保険の加入やペット用の積み立ては、家計のバランスや現在の貯蓄額を考慮してください。

「これだけの備えがあるから大丈夫」と思えることが、ペットにとっても飼い主にとっても幸せな時間を増やすことにつながります。後悔しない飼い主になるための最善の備えをしていきましょう。

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