はじめに
自動車保険の特約の一つである「レンタカー特約」は、車を日常の主要な交通手段にしている人にとっては、欠かせない特約といえるでしょう。今回は、特約の仕組みや保険料の目安、どのような場面で役立つのかについて詳しく解説します。
レンタカー特約とは
レンタカー特約とは、自動車の事故や故障などにより、車が使用できなくなってしまった時に、保険会社または保険代理店の手配でレンタカーを借りることができ、その費用が補償される特約です。
基本的には事故による修理期間中が対象で、全損など修理不能の場合は新しい車を購入するまでの期間が補償されます。保険会社によっては、故障や自然災害などによる修理期間も対象になる場合があります。
補償期間は、保険会社によって違いますが、一般的に事故の場合は30日間、故障の場合は15日間としている保険会社が多いようです。また、1日あたりの補償額は、現在所有している車のクラスに応じて日額5,000円、7,000円、1万円といった形で選択し、設定できます。
保険料はどのくらいかかる?
レンタカー特約の保険料には、等級別の割増引は適用されません。例えば、軽自動車20等級(63%割引)の自動車保険に日額5,000円のレンタカー特約を付帯した場合と付帯しない場合の保険料差額は、年額で6,500円程です。
同じ自動車で10等級(46%割引)だった場合でも、保険料差額は6,500円程です。レンタカー特約に等級の割増引は適用されないことがわかります。
年齢条件が変わるとどうでしょう。上記の場合は35歳以上の年齢条件がついた契約でしたが、全年齢にして差額を計算してみると1万2,000円に上がりました。等級の割増引は適用されませんが、他の条件で保険料が高い契約の場合は、特約の保険料も高くなることがわかります。また、補償日額によっても変わりますので、事前に保険料試算を依頼してみるとよいでしょう。
レンタカー特約のメリット
①事故後の仕事や生活を継続できる
事故後車が使えなくなると、仕事の継続、家族の送り迎え、日常の買物など日々の生活に支障をきたします。特約を付帯していれば、事故直後からレンタカーを利用できるため、生活や仕事への影響を最小限に抑えることができます。特に公共交通機関が不十分な地域においては、その効果が大きいでしょう。
②レンタカー代の経済的負担を抑えられる
レンタカーを自己負担で借りる場合、車種にもよりますが、1日数千円から1万円前後の費用が必要になります。修理期間が長くかかった場合、家計の負担も大きくなるため、負担軽減につながります。
③事故の相手との過失が争われる場合でも安心
事故の相手に過失がある場合でも、過失割合の話し合いが終わるまで相手方の保険会社から代車を手配してもらえないこともあります。自分の保険にレンタカー特約をつけていれば、相手方との交渉を待つことなくレンタカーを利用できるので安心です。
④故障などでも使える契約がある
車が使えなくなるケースは事故だけではありません。エンジントラブルなどの故障でもレンタカーが使える契約があります。修理業者の代車が空くのを待たなくても、すぐに使えるのは便利です。
⑤手配の手間がかからない
レンタカー特約を利用すれば、保険会社や保険代理店がレンタカーの手配をしてくれるため、スムーズに進みます。特に旅行中など、土地勘のない場所での事故や故障は不安なものですが、場所を問わず手配してくれるので安心です。
⑥車種を選べる
普段利用している車に近い車を選べれば、修理が終わるまでの間、ストレスが少なく済むのではないでしょうか。工場代車に比べ、レンタカー会社の車は種類も多く、ある程度希望に沿った選択が可能です。