はじめに

効率派:分析とタイミングでリターンを狙う

一方で、ドルコスト平均法に否定的な人もいます。主な指摘は、「平準化=必ずしも最大のリターンではない」という点です。確かに、投資の技術を磨きたい方、短期で資産を増やす必要がある方、大きな資金を持つ方には不向きだといえるでしょう。

彼らは、チャート分析やマクロ経済の動向を読み取り、上昇局面で買い、下落局面で手放すタイミング投資を重視します。ただし、効率派のアプローチには、知識や経験が必要です。

長期市場でも短期は読めない

米国市場のように長期的には右肩上がりとされる市場であっても、常に上昇し続けるわけではありません。過去を振り返ると数年単位で横ばいや軟調が続いた時期もあり、数年単位の短期間では成果が出にくいことがあります。

また、上昇トレンドの中でも調整局面を何度か挟むのが常ですから、短期的な下落を売買で利益に変えた方が、効率的に資金を増やせる場合があります。

タイミング投資の考え方

こうした手法を取るには、マクロ分析や企業分析に加えて、チャート分析などでタイミングを測る必要があります。上昇局面で買い、下落局面で手放すなど、ルールを持って運用すれば資金管理もしやすくなります。相場には循環やパターンが存在するため、マクロ経済や企業業績を学び、売買のタイミングを工夫することでリターンを高められる可能性があります。「損切り」「利食い」といったリスク管理は、経験を積んだ投資家にとって大きな武器ですが、時間と知識の蓄積が欠かせません。

代替となる投資戦略

大きな初期資金を持っている方は、一括投資で早期に複利を働かせる方が有利なケースもあります。ドルコスト平均法が合わない方には、次のような選択肢があります。

「一括投資+リバランス」という方法が考えられます。

「リバランス戦略」は、一括で投資して市場の成長を取り込みつつ、定期的に資産配分を見直す手法です。複利効果を最大化しつつ、リスク管理を徹底できます。
「バリュー平均法」は、一定額ではなく目標資産額に合わせて投資額を調整する手法です。相場が下がれば投資額を増やし、上がれば減らすことで、より効率的に資産を積み立てられますが、運用管理は複雑です。

両方を組み合わせた「コア・サテライト戦略」も検討する価値があるでしょう。コア部分(老後資金など長期資産) はドルコスト平均法で全世界型などを着実に積み立てて、サテライト部分(余裕資金) は学びを活かしたアクティブ投資をするという手法です。安心感と効率性を両立でき、実際に多くの投資家がNISAは全世界型を積み立てつつ、別枠でアクティブ投資を行っています。

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