はじめに

家計簿・資産管理アプリ「マネーフォワード ME」がプレミアム会員向けに、商品や体験の割引クーポンを配布する「Prime Coupon(プライムクーポン)」を提供しています。

この「Prime Coupon」の提供にあわせ、エグゼクティブの方々から「豊かなお金の使い方」を学ぶ動画コンテンツ「Money Forward Pickers(マネーフォワード ピッカーズ)」の第3弾が公開されました。

今回のゲストは、家具・家電のサブスクリプションサービス「CLAS(クラス)」を運営する株式会社クラスの代表取締役社長、久保裕丈氏です。同氏は、Amazonプライム・ビデオで配信されている恋愛リアリティ番組『バチェラー・ジャパン』の初代バチェラーとしても知られる異色の経歴を持っています。

マネーフォワードホーム株式会社代表取締役社長の金坂直哉が聞き手となり、久保氏の起業に至ったきっかけ、社会貢献への思い、そして経営者として、また一人の個人として「お金」とどう向き合っているのかを伺いました。本稿では、動画の中から一部抜粋してご紹介します。


理系から戦略コンサルへ、そして起業に踏み切った理由

金坂直哉(以降、金坂):今日は、家具・家電のサブスクリプションサービス「CLAS」を起業し、経営されている久保裕丈さんにお越しいただきました。まずは久保さんのキャリアから教えてください。

久保裕丈(以降、久保):理系の大学に入り、大学院まで修了し、研究者になるのかと考えていたところから、突然、アメリカの経営コンサルティング会社に入社しました。英語を一言もしゃべれないのに入社し、戦略コンサルタントとして5年間ハードに働き、その後1社目を起業しました。

その1社目を3年間くらいで売却し、その後また3年ほどの空白期間を経て、現在の「CLAS」を起業しました。

金坂:最初の起業は2012年だと思いますが、コンサルティングを5年間された後、起業に踏み切ったのは、どのようなきっかけがあったのでしょうか。

久保:もともと起業するつもりは1ミリもありませんでした。起業をするために経営のコンサルティング会社に入ったのかとよく聞かれるのですが、そんなことも考えていませんでした。コンサルティングをやっていた時、さまざまな経営者や経営層の方とお会いする中で、「もっと自分だったらこうできるのに」「自分も経営に携わりたい」という気持ちが出てきました。

もう一つは、たまたまその時、周りに徐々に経営者が増え始めている時期でした。彼らと話しているうちに「自分の覚悟一つで世の中を良くしようとしている人たちは格好いいな」と思い、それなら僕も飛び込んでみようと始めたのがきっかけです。

1社目のアパレル事業と「CLAS」に共通する、社会課題への意識

金坂:現在手掛けていらっしゃる「CLAS」は、久保さんがご自身で本当に欲しいサービスを作っている印象がありますが、1社目はどのような事業だったのでしょうか?

久保:1社目の事業はアパレル関係の仕事でした。アパレル企業は非常に多くのものを作りますが、余ったものがどうなるかというと、アフリカの恵まれない国に送られる体にはなっているものの、実際はアフリカの浜辺が服で埋め尽くされているような状態でした。

結局、海外に送られても、資源ではなくゴミになってしまっている状況がありました。アパレル業界のそうした在庫品(キャリー品)をお預かりして、タイムセールのような形で販売していく事業を行っていたのが1社目です。

金坂:現在手掛けていらっしゃる「CALS」も、まさにサーキュラーエコノミー(循環経済)を体現する事業だと思っていて、1社目の事業と繋がっている気がします。

久保:自分自身の仕事によって幸せになる人が増えてくれればいいな、というのが根っこにあります。「CLAS」のサービスが広がることで、人々の生活が良くなったり、働き方が良くなったり、さらには地球環境にも良い影響を与えられると思っています。根本には、みんなにハッピーになってもらいたくてやっているというのは変わりないかなと思います。

『バチェラー・ジャパン』初代バチェラー出演の舞台裏

金坂:2017年に超人気番組『バチェラー・ジャパン』の初代バチェラーとしてご出演されました。そのきっかけを教えてください。

久保:当時はまだYouTubeなどのメディアがそれほどなかったのですが、たまたま経営者紹介のようなメディアに出させていただいたんです。それをたまたま1回お会いしたことのある広告会社の方が、そのメディアをご覧になられて「『バチェラー・ジャパン』第1弾をやるときにこの人に声をかけてみたらいいのではないか」という話をされたと聞きました。実際にお会いしてアメリカでこのような番組が放送されているというのを見せられました。

金坂:実際、アメリカの番組もご覧になったのですか?

久保:見ましたね。アメリカと同じことをやったら、きっと世の中の人から大嫌いになられるだろうな、というイメージは湧きました(笑)。これをやったら、ぼくは日本で暮らせなくなるというイメージは強く持ちました。

ぼくは初めてのチャレンジをしてみたり、みんなが喜んでくれるのは面白いと思っていました。このままではもちろん日本ではできない部分もあるものの「もし自分の思い描くようにやらせてもらえるのだったらやります」というふうに言わせていただき、それで出演を決めました。

わずか半年で立ち上げ! 家具・家電のサブスク「CLAS」の誕生

金坂:「CLAS」のアイデアは、『バチェラー・ジャパン』の撮影中も、どのような事業を作ろうかなと考えながら撮影していたのでしょうか?

久保:事業を立ち上げるときに、ぼくは長く構想を練ることがないんです。「CLAS」のケースでいうと、2018年2月に自宅の引越しをしたんですが、その時にもう非常に不便だし、色々と買い替えなければいけないですし、捨てなければいけないから、すごくもったいないし、理不尽だなと。

それならば、「CLAS」のようなサービスが欲しいという風に思いついて、4月に登記、5月にサイトオープン、8月に本格サービスリリースというペースで始まりました。

金坂:「CLAS」がそもそもどのようなサービスで、どのような点がユーザーにとって価値として感じてもらえているのかを教えてください。

久保:基本的には「大きい」「重たい」「高い」、こうした特性を兼ね備えたものを扱っています。具体的にいうと、家具や家電が代表的なものですが、他にもベビーやキッズ、お子様が使うようなものも扱っています。

それらの商材は、買うのも大変、選ぶのも大変、そのうえ値段も高い。しかもどのくらいの期間使うのかが分からない。特にベビー用品は一時的に必要なだけなこともあります。それに自由に備えられる「家具家電を最も自由に使えるサービス」という風に、自社のサービスを定義しています。

金坂:実際にどのようなものが人気商品なのでしょうか?

久保:冷蔵庫、洗濯機、ベッド、ソファー、あとマットレスですね。大きければ大きいほど需要は高いです。マットレスなどは、それなりの金額を出して良いものを買っても、いざ使ってみるとサイズがいまいち自分の生活にフィットしないことがあるので、そういう時でも自由に交換ができます。

例えば、1ヶ月で気に入らなかったら、1ヶ月後にまた別のものに交換したり、返却できたりします。もし、ものすごく気に入って、5年でも10年でも長く使うかもしれないというものが出てきた場合も、購入できるようになっています。

金坂:CLASをこれまで経営した7年間の中で、一番大変だったことはありますか。

久保:お金ですね。ほぼ毎年の年末が一番大変でした。いわゆる資金繰りなのですが、我々のサービスは、お客様からの注文が多くなればなるほど、まず仕入れなければいけない。例えば、ドラム式洗濯機はものすごく高いじゃないですか。それをレンタルして何ヶ月にも渡ってお支払いいただくとなると、需要が多いと一気にお金が出ていきます。

年末から年始にかけて引越しが増えると需要も増える。創業して5、6年くらいまでは、年末年始ゆっくりできたことは一度もないですね。

金坂:今はもう資金調達もかなりうまくいってまったく問題ないということなので、皆さん安心してご利用いただければと思います。

経営者が語る「お金」のリアル:個人のマネー観

金坂:会社のお金には目を配っている久保さんですが、ご自身のお金の管理はズボラだと聞いています。どのような感じなのでしょうか。

久保:会社だと「何費が何パーセント」とか「広告宣伝費、外注費が何パーセント」とすべて頭に入っているくらいなのに、自分については何も頭に入っていないんです。自分自身、出費のうちの何パーセントを何に使っていたかなど、何も分からないんです。

金坂:株式投資や投資信託などの投資はされますか?

久保:お恥ずかしい話、すごく無知なんです。もちろん株式投資などは少しはやりますが、それもちゃんと体系立てて知識があってやるとかではないです。自分の会社でいうと、バリュエーション(企業価値評価)がどうとかは、すごいちゃんと見るんです。でも、こと個人のマネーの投資でいうと、まったく無知ですし、ほとんどやっていないに等しいです。

金坂:とにかくCLASを大きくする、企業の価値を上げていくことに集中されているんですね。最近「良いお金の使い方だったな」と思うことはありますか。

久保:個人でいうと、食事にお金を使うことが多いです。なかなか体験できない、予約ができないようなお店だと、みなさんに喜んでいただけますし、経営者の方に来ていただく良い口実になります。高いのですが、来てくださった経営者の方にはすごく喜んでいただけますし、お店の方にも喜んでいただけます。僕もその場で有益な勉強をさせていただけます。経営者の方との食事は、僕にとってすごく良い投資だと思っています。

金坂:お金に対する価値観は、過去10年、20年振り返って変化はありましたか。

久保:個人のお金がもっとあったら何のために使いたいかを考えると、応援したい人のための投資だったり、世の中のためにしたいと思うことにお金を使いたいと思います。若い頃はもっと刹那的なお金の使い方をしていましたが、今は少し変わってきたかなと思います。

金坂:過去に個人でお金に関する失敗をしたことはありますか。

久保:1社目、外資のコンサルに勤めていたときにありますね。日本の企業だとボーナスの時期はほとんど決まっていると思うのですが、外資はボーナスが12月に出たり、ある年は3月に出たりするんです。僕は毎年12月に出るものだと思っていて、年明けに豪華な海外旅行を組んだのですが、そのときは12月にボーナスが入らなかったんです。人生で初めて消費者金融に駆け込みました。外資コンサルにいながらこんなことがあるんだと思って、やらかしましたね。すぐに返せたので、そんなに金利はかかっていないと思いますが、あれは失敗でしたね。

「CLAS」が目指す「社会実装されたインフラ」という未来

金坂:最後に、久保さん個人、そして「CLAS」としての今後の展望やチャレンジしていきたいことを教えてください。

久保:「CLAS」というサービスは、マネーフォワードと同じように、社会実装されたインフラにしていきたいと思っています。世の中の人々が知っていて、使っているサービスを目指しています。そのためには、会社としても積極的に投資をしていかなければいけないですし、やはりお金に真摯に向き合っていかなければならないと思っています。

そのために、個人のお金のあり方や価値観も大事にしていかなければならないというのは、今日はすごく反省しました。

金坂:久保さん、本日は本当にお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

※この記事は、当社のプロモーションが含まれています。

この記事の感想を教えてください。