はじめに

加入前に知っておきたい注意点

加入を検討する際には、次のポイントを確認しておくことが大切です。

①保障金額は控えめ
共済の保障はケガや病気の入院や死亡に対する「日常生活での基本的な備え」を想定していますが、給付金の上限は低めです。たとえば月1,000円の保険料ですと入院1日あたり2,500円、病気の死亡保障200万円の様な内容になり、長期の入院や高額医療費がかかる場合には、十分な保障にならないことがあります。

②告知内容は簡単ではない
健康告知の回答欄は該当事項が「ない」と「ある」だけです。制度の案内や健康告知内容を熟読したうえで、回答しなければなりません。特に重い病気ではないからといって安易に答えてしまい、加入したものの告知義務違反で、給付金が支払われないといったことにならないよう注意が必要です。一般的には、郵送の申込になりますが、必ず問合せ先が書かれているので、わからない時は納得いくまで相談してから申込みましょう。

③身保障ではない
共済の多くは「1年更新型」で、原則として掛け捨てです。年齢が上がると加入コースの切替のタイミングで保障内容が変わる、または一定の年齢で終了するコースもあります。長期的な保障を求める場合は、民間保険の終身型などと組み合わせる必要があるでしょう。

④割戻金は毎年あるとは限らない
共済の割戻金は「余剰が出た場合」に限られます。大きな災害や医療費の支払いが多かった年は、割戻金がゼロになることもあります。

⑤保障の範囲が限定的
共済では、先進医療や就業不能、三大疾病などの特約が少なく、民間保険のような細かいカスタマイズはできません。どのようなリスクに備えたいのか、そのリスクがカバーできる保障内容なのかよく検討しましょう。

⑥加入対象の制限がある
県民共済は都道府県単位で運営されているため、他県に引っ越すと加入し直す必要がある場合もあります。また、職域共済や生協共済などでは、所属や組合員資格が加入条件となる場合もあります。

共済と民間保険、どう使い分ける?

共済と民間保険には、それぞれに強みと弱みがあります。共済は「安く、わかりやすく、最低限を備える」ことに向いており、民間保険は「長期で手厚く、特定リスクへの備え」に強いといえます。

たとえば、共済で日常的な医療リスクに備えつつ、がんや就業不能などの特定リスクには民間の特約や終身型保険で補うように組み合わせるのもよいでしょう。女性なら民間保険で終身型の医療保険に加入したうえで、女性特有の疾病が多い年代だけ、上乗せで共済保険に加入するという方法も考えられます。

家計に無理のない範囲でバランスを取ることが、保障を長く続けるコツです。加入の際は、制度の特性を理解しながら、自分や家族に合った保障内容、保険金額・掛金かどうかをしっかり確認し、無理なく続けられる備えを実現しましょう。保険料を払いすぎていませんか? お金のプロがあなたにあった保険を診断 [by MoneyForward HOME]

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