はじめに

株価は反転上昇。買い場はいつだったか?

ワークマンの株価の2025年の安値は3,825円、高値は12月1日につけた7,240円で、ほぼ2倍になっています。もっと早く気づいていればと思いますが、現実的に気づけた買い場はいつだったでしょう?

テクニカル的に見れば、節目(赤線)を突破したときだったところだと分かります。これは、2025年3月期の本決算発表の直後で、新年度予想の見通しがよいというファンダメンタルズ的な要因も重なっています。ここで機動的に動けていれば…。

では今から買うのは遅いでしょうか? 過去の高値から見ると、まだまだ上昇余地があると考えられますし、中長期的には「復活相場の初動」とも捉えられます。

リカバリーウェアが新しい救世主となるか?

2025年以降のワークマンにおける注目商品として浮上しているのが、「リカバリーウェア」です。これは、休養時に着用することで、血流促進や自律神経の調整などを通じて疲労回復をサポートする機能性ウェア。医療分野やスポーツ業界ではすでに一定の市場を持ち、TENTIAL(325A)が先行しています。こちらの連載でも紹介したことありますが、わたし自身は、TENTIALが展開するBAKUNEの愛用者です。

ワークマンのリカバリーウェアは、主に以下のような特徴を持っています。

・トップス・ボトムス各2,000~3,000円台と圧倒的な価格の安さ
・シンプルなデザインと高いストレッチ性で着心地に優れる
・店舗およびECを通じて展開、SNSでも一定の話題性と好評価を獲得

実際のレビューでも、「着心地が良い」「コスパが高い」との声が目立ち、快適な部屋着・睡眠用ウェアとしての需要を広げています。価格を抑えつつも、通年で安定して売れる高利益商品の一角として、今後の収益貢献も期待できるでしょう。

なお、TENTIALのBAKUNEは上下セットで25,000円~29,000円とプレミアム路線を取っており、両者の戦略は明確に分かれています。効果にどれくらい違いがあるか分かりづらいのと、インフレで節約マインドがふたたび蔓延しつつあることを考えると、この先、ワークマンに軍配が上がるかもしれません。

ワークマンの株価(12月2日現在)は、6,720円で、PERは27.8倍です。明らかに割安とはいえないまでも、「長期低迷 → 増益基調回復 → 成長再評価」というプロセスの初期段階であることを踏まえると、十分許容できると思います。加えて同社は2030年までに売上2,400億円・営業利益350億円という中期ビジョンを掲げており、今後も「気候変動対応 × 機能性衣料」というテーマでの成長が見込めることを期待するならば、かつての高値1万円超えを狙ってもよいのではないでしょうか。

「安くていいもの」の象徴だったワークマンは、コロナ以降の苦境を経て、新たな武器とともに蘇りつつあります。業績の裏付けを伴った株価の上昇、機能性と快適性を両立するリカバリーウェアなど、低迷期を経て練った戦略の進化には、本物の力強さを感じます。

株式市場でも消費者市場でも、“リカバリー”をテーマに再び注目を集めるワークマン。その歩みを今後も注視したいと思います。

※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

投資管理もマネーフォワード MEで完結!複数の証券口座から配当・ポートフォリオを瞬時に見える化[by MoneyForward HOME]

この記事の感想を教えてください。