はじめに
空港のターンテーブルを流れてきたスーツケース。「あれ? キャスターが取れてる…」。そんな「まさか」のトラブル、実は保険でカバーできる可能性があります。
年末年始の旅行・帰省シーズンに向けて、旅行保険やクレジットカード付帯保険を上手に活用すれば、旅の安心度は上がります。“泣き寝入りしないための備え方”を解説します。
まず確認! スーツケース破損は保険の対象になる?
スーツケースが破損した場合の対応策として考えられるのは、預け入れた際の「航空会社による補償」と、ご自身で加入している「携行品損害保険」です。
航空会社の補償
航空会社に預けた手荷物が、空港内の輸送中や積み下ろしの際に破損した場合に適用される制度です。この補償の対象となるのは、各航空会社で多少の違いはありますが、原則、スーツケース本体の深刻な破損(大きなひび、割れ、フレームの歪みなど)に限定されることが多いようです。小さな凹みや擦り傷、キャスター、ハンドル、鍵などの付属品の損傷は対象外となる場合が多いので注意しましょう。
とはいえ、キャスターが壊れてしまっては、スーツケースとしての利用は困難になりますよね。そんなときに役立つのが、ご自身で加入する「携行品損害保険」です。
旅行保険の「携行品損害」
携行品損害保険は、航空会社の補償対象外の損傷を広くカバーできるため、非常に心強い存在です。旅先で持ち歩く荷物(スーツケース、カメラ、スマホなど)が破損・盗難・火災などの損害を受けたときに適用されます。航空会社で対象外となりやすい、キャスターやハンドルの破損、ファスナーの破れやロックの破損まで補償されるケースが多いです。
また、うっかり階段で転んでスーツケースの取っ手が折れた、現地で盗難にあった、といったケースも対象になります。
実際にあった筆者の友人の経験談ですが、海外でスーツケースの鍵を入れたバックを盗まれ、泣く泣くスーツケースの鍵を壊しこじ開けたそうです。その際も、鍵が盗難にあったという理由からスーツケースの補償を受けられたそうです。
また、子ども連れの旅行の場合、トラブルはスーツケースに限ったことではありません。子どもの動きに気を取られて、うっかりカメラを落としてしまったということは起こりえます。そういった事態も、補償がある携行品損害保険は安心ですね。
ただし、注意点もあるので確認しておきましょう。
・携行品1個、1組または1対あたり10万円(乗車券等は合計5万円)が支払い限度額
・携行品の盗難、強盗、航空会社等に預けた手荷物の不着による損害については、保険期間を通じて30万円が支払いの限度となる場合も(保険金額30万円超の場合)。