はじめに

クレジットカード付帯の海外旅行保険も見逃せない

「旅行保険なんて入ってない…」と思った方も、クレジットカードに旅行保険が付帯している場合があります。

特に、ゴールドカードや旅行に強いクレジットカードには、海外旅行保険が付帯されており、携行品損害も補償内であることが多いです。ただし、国内旅行保険は、付帯のカードであっても携行品損害は対象外となることが多いため、必ずご自身のカードの付帯状況を確認してください。

注意したい自動付帯と利用付帯

気をつけたいのが、自動付帯と利用付帯のカードがあることです。2つの違いは以下のとおりです。

自動付帯:カードを持っているだけで保険が有効
利用付帯:旅行代金(航空券やツアー)をそのカードで支払った場合に有効

この違いを知らずに「持っているから安心」と思っていると、いざというときに補償を受けられないことがあります。“利用付帯”のカードが増えているため、旅行前に条件を確認しておくのがおすすめです。

カードの種類で補償額が違う

1回の最大補償額は最大10万円程度であることが多いですが、カードの種類によって年間で補償される総額(50万~100万円程度)も定められています。家族特約がある場合は、カード会員でなくても、一定の条件に当てはまる家族であれば補償対象となります。

ただし、補償額は家族の方が小さいこともあるため、不足分だけ選べるオーダーメイド型の保険を組み合わせて加入するなどすることで補償を手厚くできます。

国内旅行でも補償される? 意外と知らない「国内旅行保険」

一般的な国内旅行保険には、死亡や怪我への補償はもちろん、携行品損害以外にも、新幹線や飛行機の遅延、宿泊費用の補償なども含まれる場合があり、スーツケースの破損以外のトラブルにも対応できるため、国内旅行でも旅行保険を検討する価値は十分にあります。

また、前述の通り、クレジットカード付帯の国内旅行保険では、携行品損害は対象外のケースがほとんどです。携行品の安心を確保したい場合は、別途携行品損害保険に加入しておくと安心です。携行品損害保険は、日常型と旅行期間のみのスポット型があります。日常型であれば、普段の生活での補償も含め、補償額30万円に対し月290円程度、50万円に対し月490円程度です。

実際に破損したときは?手続きの流れ

もしスーツケースが破損してしまった場合、スムーズに補償を受けるための手続きの流れとポイントを把握しておきましょう。


  1. 破損を発見した時点で写真を撮る(全体と破損箇所)
  2. 航空会社や宿泊先に申告し、破損証明書を取得
    手荷物受け取り時に破損を確認したら、その場ですぐに空港係員へ申告する。空港を離れた後に破損に気づいたときは、なるべく早く申告。JALやANAの場合で到着後7日以内、LCC(格安航空会社)の場合は、到着後3~7日以内が申告期限に設定されています。航空会社によって異なるため、利用する航空会社のHPなどを確認しましょう。
  3. 修理見積書・購入時レシート・保険証券・航空券やeチケットの控え(渡航日確認用)を用意
  4. 保険会社やカード会社へ連絡・申請
    ①航空会社・保険会社が手配する修理業者を利用: 自己負担なしで済むことが多い
    ②自分で修理店を選んで修理を依頼:事前に修理見積書を作成してもらい、それを保険会社や航空会社に提出する

支払われる保険金は、スーツケースの使用年数に応じて購入価格から減額(減価償却)された額と修理費、いずれか低い方になります。また、損害額から自己負担額が引かれます。

保険を“選ぶ”から“使える”状態にしておく

旅行保険は、「入っておけば安心」ではなく、「使えるように準備しておく」ことが大切です。特に年末年始の多忙な時期こそ、準備が旅の不安を解消してくれます。最後に旅の安心につながるチェックリストをご紹介します。

1. 出発前に保険証券やカードの補償内容をスマホに保存
2. トラブル時の連絡先(保険デスク)を登録しておく
3. クレジットカード付帯の保険の場合はクレジットカード番号を控えておく
4. トラブル時の対応フローを家族と共有しておく

家計も大きく動く年末年始。思い出の旅が予期せぬ出費で残念なものにならないよう、事前の一手間が家族を守ります。スーツケースいっぱいに思い出がつまった旅行になるといいですね。

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