はじめに
●4. NISAと優待の選択をどう位置づけるか
そして、NISAも一年で区切られます。2024年からスタートした新しいNISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠をあわせて年間360万円、非課税保有限度額は1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)という大きな枠が用意されています。
NISA枠の使い方を再点検する
年末が近づくと、「今年のNISA枠を使い切れていないのはもったいないのでは?」という気持ちがどうしても出てきやすいですが、「NISA枠を埋めること自体が目的になってしまう」ことは避けましょう。
本当に今買うべきか、来年に向けて中長期的にテーマ性のある商品かどうかなどを、リスクを理解したうえで考えることが現実的です。
「価格が下がり続けている銘柄を、そのまま救済するような形でNISAに移す」という発想は、基本的にはおすすめしづらいものです。
優待が集中する12月の特徴
少し視点を変えると、12月は株主優待の権利確定銘柄が多い月でもあります。
例えば、次のような銘柄が権利確定となっています。
・ポーラ・オルビスHD(4927):ポイント制優待(グループ製品と交換)、総合利回り5.01%
・メンタルヘルステクノロジーズ(9218):総合利回り5%超
・robot home(1435):総合利回り5%超
12月はこうした「年内最後の権利取り」を意識した売買も増えるため、優待を楽しみつつ、市場の動きが出やすい時期でもあります。
12月は投資の「締めくくり」をデザインする月
まとめると12月は次のような時間にすると大きな意味を持ちます。
・一年間の損益とポートフォリオを丁寧に棚卸しする時間
・損出しや損益通算、損失の繰越控除を活用して、税金との付き合い方を整える時間
・NISAを“枠を埋めるため”ではなく、“本当に育てたい資産のため”に使う方針を見直す時間
・来年のライフプランと投資リスクのバランスを見直す時間
・そして、少しワクワクしながら株主優待や配当の楽しみ方を考える時間
相場に振り回されるのではなく、「この1年の締めくくりをどうデザインするか」を投資家自身が決めていく――本稿が、皆さまの年末の過ごし方を考える、小さなヒントになりましたら幸いです。
投資管理もマネーフォワード MEで完結!複数の証券口座から配当・ポートフォリオを瞬時に見える化[by MoneyForward HOME]