はじめに
TSMC第三工場の建設に期待

【地方経済の活性化】
2026年は、データセンターや発電所、半導体工場の建設などによって特定地域の経済が活性化し、それによって恩恵を受ける銘柄の株価が上昇する展開が予想されます。ここでいう「特定の地域」とは、九州地方および北海道、広島。九州については、台湾のTSMCが熊本に半導体工場を建設したことをきっかけに、九州に日本の半導体関連企業が相次いで拠点を新設。「半導体バブルが発生」などと注目されました。九州全体で見ると人口流出が止まらず、やはりその他の地方と同様、高齢化、過疎化が進んでいるものの、同半導体工場がある熊本県の菊池郡は大幅に人口が増えています。
2024年5月、九州フィナンシャルグループは、TSMCの進出による熊本県への経済波及効果が、10年間で11兆2000億円にのぼるとの試算を発表しました。この試算は、2022年9月の4兆3000億円から、2023年8月には6兆9000億円と時を追うごとに増えています。熊本県の木村知事は、2025年11月にTSMC本社を訪れ、第一、第二工場に続いて第三工場を熊本県内に建設するよう要請しました。台湾政府は第三工場も熊本県を含む九州地方に建設する方針を打ち出していますが、現時点では、TSMC側の公式見解は発表されていません。
ただ、九州地域に半導体関連のサプライヤーが集中していることを考えると、第三工場も九州に建設される可能性が高いでしょう。2025年、九州関連の株価は、地銀やインフラ関連を中心にジリ高となる銘柄が散見されますが、今後も同様の展開が期待されます。
北海道で半導体工場とDC建設による特需が発生か
九州と同様の展開が予想されるのが北海道です。北海道では、千歳市に半導体メーカーのラピダスが約5兆円の巨費を投じて生産工場を建設しているほか、ソフトバンク、東急不動産、京セラといった大手企業が相次いでデータセンター(DC)の建設を進めています。
また、DCの建設では再生可能エネルギーによる発電所が併設され、それにともなう送電網の整備が進められるなど、DC建設以外にも恩恵が生まれています。「会社四季報(東洋経済新報社)」の、とある銘柄の概要欄に「ラピダス効果満喫」と書かれるなど、ラピダスの工場建設による特需発生が明記されているのは注目に値します。
2026年以降は、ラピダス特需にDC建設特需が加わり、地元関連企業の業績拡大と株価上昇が期待されます。ただ、関連銘柄には北海道電力(9509)など一部を除いてマイナーな銘柄が多い点に注意です。マイナーな銘柄は流動性に乏しいため、「安いところで買い、長期保有する」つもりで臨むべきでしょう。米マイクロンが1.5兆円を投じて半導体の新生産棟を建設する計画がある広島県に関連する企業も、北海道と同様に注目されるかもしれません。
2026年は、20の注目テーマの中でも、前編で取り上げた「半導体」と「電力・エネルギー」、後編の「軍事・防衛」と「(防衛関連としての)造船・サイバーセキュリティ」、「特定地域の経済活性化」が、株式相場の主力テーマとして注目されるというのが、筆者の予想です。
ほかに、「利上げ」や「資源(レアアース)」、「AIインフラ」、「フィジカルAI」、「量子コンピューター」、「ヘルスケア・バイオ」、「航空・宇宙」、「防災・国土強靭化」なども注目テーマとして挙げられますが、これらに関しては、次回以降の「番外編」で解説するつもりです。