はじめに
75歳以上は「がん保険のやめ時」を検討する年齢
75歳になると後期高齢者医療制度に移行し、医療費の自己負担は原則1割になります。これにより、高額療養費制度の自己負担限度額も大きく下がります。一般所得者の場合、入院時の自己負担限度額は57,600円です。また住民税非課税世帯であれば、24,600円です。治療費の負担はかなり少なくなり、がん保険で補わなくても家計に大きな影響が出にくくなります。
さらに高齢になれば、どうしても体が衰えてきます。手術や抗がん剤治療を受けたくても、体が耐えられない、あるいは他の疾患の影響で積極的な治療が難しいと判断されるケースも増えてきます。
そうなると、がん保険の保険料を払い続けていても、実際には治療が受けられず、保険金を受け取れない可能性が高まります。こうした点を踏まえると、「がん保険を一生涯持ち続ける必要があるのか」という疑問が生じます。健康状態や資産状況にもよりますが、一定の年齢を迎えた段階で「がん保険をやめる」という判断も、十分に合理的だといえるでしょう。
がん保険は「定期的な見直し」が大前提
がん治療は、この20年で大きく変わりました。それに合わせて、がん保険の内容も変化しています。以前は手術が中心で、入院期間も長く、がん保険は入院給付金や手術給付金が主な保障でした。
しかし、現在のがん治療は、抗がん剤・放射線・手術の3つが中心で、これらが標準治療といわれています。入院日数は短く、通院治療が主流になり、治療期間は長期化する傾向にあります。
そのため、現在のがん保険は、がん診断一時金やがん治療給付金、抗がん剤治療給付金、放射線治療給付金など、長期間にわたって受け取れる保障が中心になっています。場合によっては、手術や入院を伴わず、最初から抗がん剤治療が始まることもあります。
古いタイプのがん保険のままだと、入院給付金や手術給付金しか支払われず、十分な保障を受けられないケースもあります。最近では、がん治療給付金を主契約とし、入院や手術を特約とする商品も登場しています。
20年前に加入したがん保険を一度も見直していない場合、現在の治療実態に合っていない可能性もあります。がん治療は今後も進化していくでしょう。10年後には、今の抗がん剤治療さえ古くなっているかもしれません。
こうした点を踏まえると、がん保険に終身で加入する必要性は、薄れるのではないでしょうか。がん保険の賢い加入方法としては、終身型で加入しつつ定期的に見直す、あるいは定期型のがん保険を選ぶなど、柔軟に対応できる形が合理的だといえるでしょう。保険料を払いすぎていませんか? お金のプロがあなたにあった保険を診断 [by MoneyForward HOME]