はじめに

新築住宅は「2027年」がひとつのリミットに

2025年の税制改正では子育て支援政策の一環として、子育て世帯等の限度額の上乗せが維持されるといったポジティブな内容でしたが、今回は厳しい内容が目立ちます。2026年以降の内容をまとめた図表は以下のとおりです。

図表は『国土交通省令和8年度税制改正概要』『財務省令和8年度税制改正大綱の内容』より筆者作成

認定住宅やZEH水準の省エネ住宅については2025年までの内容が維持されますが、省エネ基準適合住宅では縮小しました。借入限度額が1,000万円引き下げられ、利用できる期限が設けられました。原則として、利用期限は2027年末までとなる見込みです。2028年以降は、省エネ基準適合住宅は、買取再販住宅や一部の新築住宅を除き、適用対象外となります。

高い環境性能は求めず、新築にこだわりたい方は、2027年の年末が現実的な住宅ローン控除利用のタイムリミットとなりそうです。

床面積要件は、2025年までの内容が基本的には維持されます。中古住宅と同様に所得要件を満たせば40㎡以上で利用できますが、子育て世帯等が使える借入限度額の上乗せと選択制になります。

また、少し先の動きに目を向けると、2028年以降は災害レッドゾーンでの新築は、原則として対象外となります。フラット35では2021年からすでに災害レッドゾーンの新築の場合、金利優遇がうけられなくなっていますので、こちらに足並みをそろえたかたちと言えます。
災害イエローゾーンについても、今後立地要件に追加する議論を進めていくことが予定されているようです。

新築住宅を考えるなら、慎重に計画を進めるべき要素が多く見受けられます。

減税だけで決めない住まい選びを

今回の税制改正は、カーボンニュートラルの推進や、人口減少社会への対応といった国策を背景に、住宅の質を重視する方向へ舵を切ったものといえます。一方で、家計の視点に立てば、安心で豊かな暮らしを実現するためには、経済的な余力を一日でも長く維持することが重要です。

住宅ローン控除はあくまで「補助」であり、減税額を最大化すること自体が目的ではありません。これからの住宅選びでは、立地や性能といった住宅の質だけではなく、将来の住み替えや売却も見据えた柔軟性、無理のない返済計画や家計の余力を十分に照らし合わせた上で、総合的に考えることが求められます。

住まいは生活の基盤であり、結果として家計の資産構成にも影響します。制度に振り回されるのではなく、住宅ローン控除を上手に活用しながら、自分たちに合った無理のない住まい選びに役立てていきましょう。

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